圏内事件〜
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・・!」
そして自らが支えていた物を失ったロープが壁面にぶつかり、その後すぐに凶器である黒い短槍が音を立てて石畳に突き刺さる。それと同時に俺とキリトはすぐに辺りを見渡す。
「どこだ・・・」
俺達が探しているものは“デュエル勝利者宣言メッセージ”街中でプレイヤーが死ぬには完全決着モードのデュエルを承諾し、敗北すること以外あり得ない。どの形式のデュエルであれ、名前や試合時間が表示されるウィンドウが現れる筈だ。
「みんな!デュエルのウィナー表示を探してくれ!!」
キリトの意図をプレイヤー達は気づいたのか、すぐに辺りを見渡す。・・・だが、誰も見つけられない。その時、アスナが二階から身を乗り出した。
「アスナ!!ウィナー表示あったか!?」
「無いわ!システム窓もないし、中には誰もいない!!」
「中にある家具とかの中は!?」
俺は叫ぶが、アスナは首を横に振るだけだ。
「・・・だめだ、三十秒たった・・・」
プレイヤーの中からその声が聞こえた。・・・三十秒、それが本来ウィンドウが表示される時間だ。・・・取りあえず俺達は凶器を回収してアスナの元に行く。
「教会の中には、他には誰もいない」
どうやらキリトは索敵スキルを使用していたらしい。・・・俺も持ってはいるが・・・とある事情のせいで俺はスキルの上昇が上手く行かない。
「隠蔽アビリティつきのマントで隠れている可能性は?」
アスナが聞き返すが、キリトは首を振る。
「俺の索敵スキルを無効化するほどのアイテムは、最前線でもドロップしてないよ」
「しかも教会の入り口には目撃者全員に立ってもらってる。透明化も誰かに接触すれば解除される。・・・裏口もないし、逃げ道はないはずだ」
一応リパルにも索敵してもらったが効果はなかった。
「ん・・・解った。これを見て」
アスナが指差したものは“座標固定オブジェクト”・・・要するに動かせない物であるテーブルを指差す。その中の足にロープが結わえられていた。・・・これ自体は至って簡単でロープをポップアップしてからウィンドウをちょいと操作すれば簡単にロープを固定できる。後は荷重か刃物による攻撃でしかほどける事はない。
「うーん・・・どういうことだ、こりゃ?」
キリトが首を捻る。
「ま、普通に考えりゃ・・・槍を刺してからロープを首にかけて窓から落とした・・・ってことか」
「・・・なんでそんなこと・・・見せしめのつもり?」
「それ以前に謎なのはウィナー表示が無かったことだっつーの。デュエルの表示はすぐ近くになかった・・・くそっ、判断ミスった。槍を抜こうとすれば・・・」
「なんで彼処でロープ切ろうと思ったんだ?」
「あの位置じゃ体制悪
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