第1話 獅子との出会い
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『キャァァァァァァァァァァァァ??????』
「篠ノ之選手!あの篠ノ之選手よ!」
「テレビで見るよりもずっとかっこいい??」
「お姉様と呼ばせて下さい!!!」
クラスの女子ほぼ全員が待ってましたとでも言うかのように騒ぎ出す。篠ノ之先生も、頭を抑えて溜息を吐いている。ポーズではなく、本当に困っているようだ。
「千冬さんもこんな感じだったのか……」
心中お察ししますとか、一声かけたほうが良いのだろうが、少年の方にもそんな余裕はなかった。
「はぁ……煩いぞ貴様ら??静かにしろ??」
キッ、と目つきを鋭くし、騒いでいた生徒達を一喝する。鋭い声が教室内に響き、一瞬空気が張り詰める。しかし、それも一瞬だった。
『キャァァァァァァァァァァァァ??』
「もっと叱ってー??」
「付け上がらないように躾してー??」
「でも時には優しくしてー??」
イライラするほど甲高い女の子特有の声は、収まるところを知らない。
「ええい、黙れ??まずは出席番号順に自己紹介だ。速やかにいこう」
篠ノ之先生が強引に話を打ち切り、HRを進めていく。廊下から控えめだが話し声が聞こえてくることから、本当に時間が押しているのだろう。
一人一人が手短な挨拶をしていく中で、クラスの雰囲気が段々と何かを期待していく雰囲気に変わっていく。
「では………草薙。挨拶しろ」
遂に少年の番が回ってきた事で、教室内の可笑しな空気が最高潮に達する。
それに気づいた少年と篠ノ之は明らかにウンザリとした溜息を吐く。
この空気にいつまでも耐え続けられるわけもなく、ゆっくりと立ち上がり教室を見渡した。
「えっと……草薙春斗です。なんか、男の癖にIS学園に来ましたけど…よ、よろしくお願いします?」
なんで疑問系なんだろうと自分でも思った。そんなどうでもいいことを思いながら椅子に座る。ヒソヒソとした話し声が聞こえてくるが、篠ノ之先生のようにならなかっただねマシだろう。
恙無く自己紹介も行われ、HRは終わりを迎えた。未だに春斗に向けられた興味の視線は尽きることなく、彼を辟易とさせる。
話しかけようとするものは、他の女子からの「抜け駆けするんじゃないわよ」という視線に黙殺され、遠目で春斗を見ているだけだ。
これが後数時間も続くのかと思うと、それだけで疲労が溜まっていく。
放課後になったら干からびてしまうのではと思ってしまうくらいだ。
「はぁ……なんでここにいるんだろう…」
もう何度目かもわからない溜息をつき、春斗は数ヶ月前のことを思い出した。
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「よし。ここの点検も終了っと」
春斗はその日、IS学園でバイトをしていた。両親がISの技術者を
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