暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第46話:困った時は彼に聞け
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
(グランバニア城・国王主席秘書官執務室)
ウルフSIDE

「ウルフく〜ん、如何すれば良いのかなぁ?」
軍務大臣の秘書官たるレクルトが俺の執務室にまで押し掛けて悩み事を吐露する。
ぶっちゃけ殴って追い出したいが、悩みの内容が軍の事だし、俺も何とかしたいと思ってる事なので、追い出しにくい。忙しいのに……

レクルトの悩みというのは……軍内部の予算配分の事だ。
本来なら軍内部の予算配分なんて、こっちが口出しする事じゃないのだが、広い視野で見たらグランバニアの未来に関わる事なので、俺も無碍に出来ない。

と言うのも、武器開発部門が閉鎖の危機に陥ってるのだ。
只でさえグランバニアは軍事費を大幅削減させてるのに、(くだん)の部署は目立った功績も無く、年々人員削減されている。

だが、現在グランバニアには2億もの人口が居る。
リュカさんやティミーさんが存命中は問題ないだろうけど、死後の未来は軍によって外敵からの侵略等に対抗しなければならない。

だから現在活躍しなくても、廃止にするわけにはいかないのだ。
その為に部署は存在するし……存在する以上、予算は回される。
元々少ない予算なのに、役立たずの部署が持って行く……他の部署、特に活躍してる部署は納得いかないだろう。

んでレクルトは俺のところに泣き付きに来た。
何かに困るとレクルトは俺に泣き付く。
男に泣きつかれても嬉しくない……いや、女に泣きつかれても鬱陶しい。

「兎も角さ……実績を残せば周囲からの圧力も減るんじゃねぇの?」
「如何実績を残せば良いのさ!? あそこは窓際部署だよ。他で邪魔になった者達が、島流しの流刑地として辿り着く場所だよ。実績なんか残せるわけないじゃん!」

「奴等だけに頼るんじゃ無くて、外部からの援護を向かい入れろよ」
「外部からの援護?」
ちょっとはお前も考えろ!

「この国は、多種多様な生物が暮らしてるだろ。鍛冶屋のザイルさんも、リュカさんが連れてきたドワーフだろ。その彼が、堅すぎて加工出来なかったグランバニア鉱石を、簡単に加工できるようにしたって聞いてるぞ。お陰で、他の国には無い丈夫な武具を量産出来てるじゃんか」

「そっか……でもザイルさん忙しそうじゃね?」
「俺の方が忙しいんだよ! それにザイルさんだけじゃ無くて、モンスター連中にも手伝わせろよ。人間に無いアイデアが生まれるかもしれないだろ」
鍛冶屋に気を遣わないで、国家の中枢に近い俺に気を遣え!

「解ったよ。色んな人達に相談してみる!」
そう言うとレクルトは笑顔で退出して行く。
まったく……今日は何て日だ。

先程もリュリュさんが突然来て、『臨時収入があったから、お父さんとデートに行きたいんだけど、何処?』と聞きに来た。
何だ臨時収入って!? 兄
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ