第14話 運命の夜・第2夜
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(今回の事を解決しない限り旅行なんて正直言ってられないが、如何切り出すか)
宣言してしまえば、恐らく悲しみながらも仕方ないと3人は受け入れるだろう。
その姿を容易に想像できる士郎は、何と言い含めようと考えていた。
しかしその時、衝撃と轟音が響き渡った。
−Interlude−
少し時間を遡る。
そこは川神市内と冬木市内の境にあるちょっとした小山。
木々が生い茂る中腹にて、あの具象奇体はいた。
具象奇体から離れた少し前の方に、赤い液体――――血液によって召喚陣が敷かれていた。
その血液は如何やら、召喚陣の周りに横たわっている動物達の死骸からのモノの様だ。
傷の痕から察するに、操って共殺しさせたのだろうと言う事が解る。
そしてそれを強制させられた彼女は、憤慨の中で無理矢理詠唱させられる。
「素ニ銀ト鉄。礎ニ石ト契約ノ大公。降リ立ツ風ニハ壁ヲ。四方ノ門ハ閉ジ、王冠ヨリ出デ、王国ニ至ル三叉路ハ循環セヨ」
憤慨しているのは動物達を殺めた事にでは無い。そんな事に一々憤りを見せる程、人間出来ていない自覚は当の昔にあった。
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰リ返ス都度ニ五度。タダ、満タサレル刻ヲ破却スル」
真に憤慨している理由は、自分を触媒に確実に彼の英霊を呼び出そうとしているガイアに向けてだ。
「――――告ゲル。汝ノ身ハ我が下ニ、我ガ命運ハ汝ノ剣ニ。星ノ寄ルベニ従イ、コノ意、コノ理ニ従ウナラバ応エヨ」
この意、この理に従うならば応えよと言うが、彼の英霊にとっては自分と言う人質同然が居るのだから、嫌でも応えなければならない。その事にまた、腸が煮えくり返る思いだった。腸ないけど。
「誓イヲ此処ニ。我ハ常世総テノ善ト成ル者、我ハ常世総テノ悪を敷ク者」
とはいえ、全てをガイアの思うままにさせる事だけは防いだ。昨夜の魔力集めが夜明けまで続いていたら、彼の英霊にとっての最高ステータスで召喚されてしまっていた。
それだけで一矢報いたと自分に言い聞かせていた。
「サレド汝ハソノ眼を混沌ニ曇ラセ侍ルベシ。汝、狂乱ノ檻ニ囚ワレシ者。我ハソノ鎖ヲ手繰ル者」
だが一番我慢できないのは、バーサーカーとして我が最愛の夫を道具のように使う事。しかもその手綱を表面上は自分にコントロールさせるのは本当に憎悪が止まなかった。
「汝三大ノ言霊ヲ纏ウ七天、抑止ノ輪ヨリ来タレ、天秤ノ守リ手ヨ」
召喚陣は光に包まれ、辺りを照らした。
そしてその光の中から、どす黒いオーラが徐々に見えて来る。
そうして光が晴れて来ると、姿が現れる。
体格のいい巨躯に、禍々しいと
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