自分の流儀を貫いて
9話:あるよ、守りたいものなら。無くしたけどね
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とは機密事項だから、これ以上は教えられないの。君が事情聴取を受けてくれて、捜査に協力してくれるなら一緒に探せる。君とマリさんをきっと助けられる! だから、こんなことしてちゃ駄目だよ!」
そうか……。やっぱり、駄目だよね、こんなことしてちゃ。時間の無駄だったのかなぁ。
「そうですね、そうなんですよね。こんなことしちゃ、意味無いですよね」
「わかってくれて良かった。だからこっちに……」
「ええ、よくわかりました…………どうやら、貴女に聞いても、いや管理局員全員に聞いても無駄みたいですね」
「え……?」
希望は無くなった。どうやらこの人は、俺に逮捕されろと言っているようだ。しかしそれは、俺のこの世界での目的の崩壊を意味する。これ以上ここにいても意味はない。ならば、俺の目的を守るために行動すればいい。俺は俺の力でマリを見つけ出す!
「貴女に聞くことはもう、なにもありません。だったら俺は皆を守るために戦います」
本当に俺は自分勝手だ。聞くだけ聞いて、あとは戦う。けど、そうするしか道はない。俺は捕まるわけにはいかない。この人は優しい人だ。でも、戦いの中では意味はない。それは、俺がこの3か月で学んでしまったことだ。優しさは意味がない、なんて正に悪役が言う言葉だな。そうか、俺、犯罪者だっけ。
「貴女たちが管理局の正義で戦っているように、俺は俺の正義で戦います。話を聞いてくれて、してくれてありがとうございました。でも、俺達は捕まるわけにはいかないので、“主砲”を、貴女を潰します」
もう1人の“主砲”は後でいいだろう。まずは目の前の障害を。今日の気分は……手のひらにザックリと。
「リアクト。モード“剣鎧装”」
グチュッ!っとグロテスクな音が響く。神経を通して、刃が肉に食い込むのがわかった。
「待って、話をっ!?」
俺の両の手に現れるのは、二対の長刀。刀身はギザギザで、柄の部分には銃の機構。まるで、サイファーの武器みたいだ。そして、見に纏う鎧。
「話すことは何もありませン。話し合いはもォ、無駄です。ただ、俺達が捕まるわけにはいかないので、俺は戦います」
ガシャンッ! と頭のバイザーが降りた。
『ドライバーのリアクトを確認。戦闘形態へ移行。要請を確認、戦闘の補助を開始します』
青十字の書は準備万端。高町なのは一等空尉の方も既に構えていた。隙が全然見当たらない。やはり、この人は俺よりものすごく強い。
でも、負けるわけにはいかない。俺にも守りたいものがあるから……。
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