暁 〜小説投稿サイト〜
貰った特典、死亡フラグ
自分の流儀を貫いて
8話:原作開始。そして謎出現
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日前……








 いつかは乗り越えなければならないと思って見ていた、記録映像。今までで一番辛い過去。

 マリをこの手で殺したためか、俺はマリと同年代の女の子は殺せない。殺ろうとしても、あの光景がフラッシュバックして、手が止まる。民間人も管理局員も、例え犯罪者でもそれは変わらない。

 1ヶ月前は、この映像を見ると過呼吸になったりしていたが、今はましになってきた。悪くて、視界がチカチカするだけだ。

『ダレン!!』

『Start Up』

『がぁぁあぁぁぁぁ!!!』

『ダ、ダレン落ち着っ?』

 ここで、俺は目を逸らした。ここは何度見てもちゃんと見ることができない。

「あれ……」

 少しだけ見たときに、マリの口が動いた気がした。気のせいか?

「蒼、もう一度だ」

『Jud.』

 今度こそは、目を逸らさない!

『がぁぁあぁぁぁぁ!!!』

『ダ、ダレン落ち着っ?』

 マリが俺の方に倒れかり、俺も倒れる。やっぱり、マリの口が小さく動いていた。

「蒼、この部分を拡大して、音を拾え」

『Jud.映像拡大、音声を拾います』

『がぁぁあぁぁぁぁ!!!』

『ダ、ダレン落ち着っ?』

マリが倒れた。そして、

『ダ……わた……をこ……あ……う、だ…………』

 全て聞こえない。音が小さすぎる。

「蒼、もっとだ!」

『これ以上の拡大、不可能』

「くそっ!」

 マリが最後、何を言っていたのか。俺に対してかもしれないし、別の誰かかもしれない。俺に対してならは、恐らく俺に対する怒りだろう。殺戮衝動といえ、俺がこの手で殺してしまったのだ。何を言われようが受け止めなければならない。しかし、今はマリのその言葉でさえ聞くことはできない。マリはもう、この世にはいない。

「マリがさ、俺のことどう思ってたかは聞くことはできないけど、俺は守りたかったよ? 俺のこと助けてくれて、友達になってくれて、ほんわかしてたけど、ドジだったマリをさ……」

 それはもはや、叶わぬ夢。守りたいものを、この手で無くしまったのだから。








「おー、ダレン。飯か?」

「そうだけど、お前は食い過ぎだ、アル」

 思い出しながら歩いていれば、いつの間にか着いていた。犯罪者でも、家族なんだと時々思う。犯罪行為などしていなければ、ただの厳つい顔が揃った仲のいい家族に見えるかもれない。

「お前も早く食わねェと、アルに前部食われちまうぞ」

「そう思うなら止めろよ、ヴェイ」

「うるせェ、俺が言ったって意味ねェんだよ」

 できれば意味がなくても止めてほしかった。体で。

「はぁ……食うか」


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