自分の流儀を貫いて
8話:原作開始。そして謎出現
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
日前……
いつかは乗り越えなければならないと思って見ていた、記録映像。今までで一番辛い過去。
マリをこの手で殺したためか、俺はマリと同年代の女の子は殺せない。殺ろうとしても、あの光景がフラッシュバックして、手が止まる。民間人も管理局員も、例え犯罪者でもそれは変わらない。
1ヶ月前は、この映像を見ると過呼吸になったりしていたが、今はましになってきた。悪くて、視界がチカチカするだけだ。
『ダレン!!』
『Start Up』
『がぁぁあぁぁぁぁ!!!』
『ダ、ダレン落ち着っ?』
ここで、俺は目を逸らした。ここは何度見てもちゃんと見ることができない。
「あれ……」
少しだけ見たときに、マリの口が動いた気がした。気のせいか?
「蒼、もう一度だ」
『Jud.』
今度こそは、目を逸らさない!
『がぁぁあぁぁぁぁ!!!』
『ダ、ダレン落ち着っ?』
マリが俺の方に倒れかり、俺も倒れる。やっぱり、マリの口が小さく動いていた。
「蒼、この部分を拡大して、音を拾え」
『Jud.映像拡大、音声を拾います』
『がぁぁあぁぁぁぁ!!!』
『ダ、ダレン落ち着っ?』
マリが倒れた。そして、
『ダ……わた……をこ……あ……う、だ…………』
全て聞こえない。音が小さすぎる。
「蒼、もっとだ!」
『これ以上の拡大、不可能』
「くそっ!」
マリが最後、何を言っていたのか。俺に対してかもしれないし、別の誰かかもしれない。俺に対してならは、恐らく俺に対する怒りだろう。殺戮衝動といえ、俺がこの手で殺してしまったのだ。何を言われようが受け止めなければならない。しかし、今はマリのその言葉でさえ聞くことはできない。マリはもう、この世にはいない。
「マリがさ、俺のことどう思ってたかは聞くことはできないけど、俺は守りたかったよ? 俺のこと助けてくれて、友達になってくれて、ほんわかしてたけど、ドジだったマリをさ……」
それはもはや、叶わぬ夢。守りたいものを、この手で無くしまったのだから。
「おー、ダレン。飯か?」
「そうだけど、お前は食い過ぎだ、アル」
思い出しながら歩いていれば、いつの間にか着いていた。犯罪者でも、家族なんだと時々思う。犯罪行為などしていなければ、ただの厳つい顔が揃った仲のいい家族に見えるかもれない。
「お前も早く食わねェと、アルに前部食われちまうぞ」
「そう思うなら止めろよ、ヴェイ」
「うるせェ、俺が言ったって意味ねェんだよ」
できれば意味がなくても止めてほしかった。体で。
「はぁ……食うか」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ