第62話 監獄
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
レジスタンスのトレーラーの転送室にはアリアとシエル、エックスの姿もあった。
そしてルージュが端末を操作しながら、口を開く。
「転送完了まで…2…1…転送!!お疲れ様でした」
トランスサーバーにゼロ達が帰還する。
アイリスはアリアと少し会話をした後、転送室を後にした。
「お帰り、ゼロ、ルイン…ネージュさんの連れて行かれた場所が分かったわ、ここから西へ行った所に敵の基地があったの。ネージュさんとクラフトはきっとそこに居るはずよ」
「転送はいつでも行けます、ゼロさん達の準備が出来ましたらいつでも声をかけて下さい」
「ゼロ、ルイン…大変なことになったね…」
「うん……正直、分かっていたつもりだったけど…」
少なくとも彼らのために体を張ったネージュを見捨てようとしたことにルインは苛立ちを感じていた。
「仕方ないよ。人間は弱い、普段は道徳観念に基づいて生きてはいるけど、命の危険に曝されたら、自分の命を守るのに必死になる。人間は僕達みたいに壊れても修理出来る訳じゃないんだ。体だって僕達レプリロイドに比べれば遥かに脆い」
「まあ、機械のレプリロイドと生身の人間の強度の差なんて月とスッポンレベルだよ。例えば岩を殴ったとしようか。レプリロイドが殴ったところで岩が砕けるだけで、レプリロイドには何も影響はなし。まあ、多少の傷がつくかも知れないけど、じゃあ人間が岩を殴った場合はどう?その時砕けるのは岩じゃなくて人間の拳。酷い有り様になってるだろうねえ…あー、想像したくないー。」
手をプラプラさせながら言うアリアにシエル達は少しだけ苦笑し、少しだけ転送室の重かった空気がマシになったのを感じた。
彼女の人柄のためなのか、普通なら苛立つような態度もアリアなら何となく許してしまう。
「あははは、そろそろ行こうよ。ネージュさんを助けにさ」
「今回は僕も行く。ゼロとルインだけでは危険過ぎるからね」
エックスとルインがルージュにそう進言するとルージュも頷いた。
「分かりました。ネージュさんを連れ去った後、クラフトの反応が消えたポイントがここです。恐らくラグナロク作戦を指揮する前線基地と思われます」
「ネージュはここに居るのか…」
「ねえ…ゼロ…本当にこのままでいいのかしら…」
「…集落の人間達のことか?」
「ええ…このままネージュさんを助ける事が出来ても…集落の人達の心を変える事が出来なかったら、何の意味もないのかなって…人間がレプリロイドを嫌っているって聞いてずっと考えてるの…私達のやり方で本当に平和な世界が創れるのかしら…」
トルナード達のネージュへの疑いや不信感を考えると、ネージュを助けたとしても、今までのように集落にネージュの居場所はないのかもしれないと考えた
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ