【ソードアート・オンライン】編
130 異邦の罪科
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適当に菊岡さんに軽口を叩けば菊岡さんも菊岡さんで、俺を〝人でなし〟と揶揄してくるが、俺はそんな菊岡さんの揶揄を棚にあげる。……すると菊岡さんが乾いた苦笑を漏らしたので、〝勝利した〟──と、しょーもない征服感に意味もなく浸る。
勿論、俺がこれでも自重している方だと云う事を言外に菊岡さんに述べておくの忘れない。……あくまでも〝ある程度〟でしか無いが。
「……で、話を戻すけどさ──いや、この場合は〝気になっていた事を訊きたくなったから〟と言い直した方が良いか」
「和人に聞かせない方が良い事なのか?」
と──和人が退席してから、菊岡さんのムードが変わっていたことから類推した上での推測を投げ掛けてみれば、菊岡さんは小さく1つだけ頷いてみせる。
これまでの事で判っているのは、〝乃愛にもそれなりに関係が有る話〟〝和人は聞かい方が良い事〟──以上の2点で、それらの共通因数を含んでいる質問は割と多いので、内心で軽く身構える。
……例えば、〝〝平賀 才人〟と〝ユーノ・ド・キリクリ(まどか)〟の嬉し恥ずかしなあれそれ〟とか。
もし何か──ミネルヴァさんの悪戯とかでユーノと乃愛の記憶が合致されていて、その記憶の一部──専ら閨での語り合いが乃愛の悪戯で菊岡に流れていたら、遠き地にて闇に沈んでしまいたくなるだろう。
(いやだなぁ…)
そんな可能性が低い──それこそ万に一つな可能性の凶事に憂いながら、菊岡さんの次の言葉を待つ。
……もしこれで菊岡さんの口から〝ユーノとの嬉し恥ずかしなあれそれ〟な──赤面確実モノの言葉聞こえてしまったら、俺が手ずから〝この世界〟を終わらせる呪文を唱える事も辞さないだろう。……主に“マダンテ”や“アルテマ”とかで。
閑話休題。
「……真人君は人を殺めて、どうしてそう──平然としてられるんだい?」
軽口の掛け合いも──勝手な杞憂でダウナーになるのもそこらとして、いきなり佇まいを改めた菊岡さんから投げ掛けられたのは、〝俺にとっては今更〟な質問だった。
そして、確かに和人には聞かせにくい話でもあった。そこら辺を慮ってくれた菊岡さんには一応の感謝として、〝昼行灯眼鏡〟──なんて揶揄は、大して面白くも無い状況に限り使わない事にした。
……裏を返せば、〝面白い状況〟が有ったらその限りではないと云う事にもなるが。
(……ふむ、どう答えたものか…)
「カウンセリングの人が言っていたよ。……【SAO】内で≪笑う棺桶(ラフィン・コフィン)≫の首魁を意図的に殺めた時の場景について訊ねられ
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