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システム外武器
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「それなら、これ使ってくれ」

 ストレージ欄からアイテムをオブジェクト化させる。するとリズベットの目が大きく見開かれた。

「これ、《メタルスケイル・インゴット》じゃない!!ドロップ率がかなり低いのに何で二つも持ってんの!?」

 《メタルスケイル・インゴット》とは、五十五層の真北にある《灼熱の洞窟》の中にいるモンスター、《メタルダストドラグニル》というモンスターの鱗で、そのモンスターの純度の高い鱗がインゴット化したものだ。エンカウントする可能性も低く、ドロップ率もかなり低いのでSレアインゴットと言われることもある。

「まあ、一時期そこに篭りっ放しでレベル上げしてたら、たまたま出て、たまたまドロップしただけって言うしかないな」

「あんた、どんな奴よ……」

 リズベットがあきれたふうに言い、それに苦笑して答える。

「モンスターハウスに平気で突っ込んで行く奴だな」

 そう言うとリズベットは笑った。そして分かったと言って、工房に行く。ゲツガもその後に着いて行った。工房に着いたら、インゴットを熱してから、叩く工程に入る。さすがにリズベットは集中したいから黙っててね、と言って集中して叩き始める。カンッ、カンッと小気味いい音が工房に響く。その音が止むとインゴットが形を変えて自分の想像した通りの反った剣が出来る。

「こういう感じ?」

「そういうの。もう一つも頼む」

 そしてもう一度同じ工程をして、形は少し違うが同じくらい反った剣が出来る。

「はい、こっちが《ディアウス》、でこれが《プリティヴィー》。どっちも見たトコ切れ味もなかなか、それに名鑑に載ってないから私も詳しいことは分からない、どうぞ試して」

 台に置かれた二つの剣を手に取る。形は反った剣。どちらも先端近くに丸い穴が何個か開いていて、メタルを使ったものなのに柔軟性もある。

「……ちょうどいいくらいだな。よし、ありがとう。大切に使わせてもらう」

 そう言ってストレージ欄に入れる。するとリズベットが怒鳴ってくる。

「ちょ、ちょっとあんた!!武器を試しに振ったりしないで何しまってんの!!もしかしてさっきのは社交辞令みたいなので実際は要らないって奴なの!?」

「違う違う。それにまだ依頼は完了してないだろ。ショートスピア作ってくれたら教えてやるから」

 そう言ってリズベットに何個かインゴットを渡してから工房を離れた。しばらく店のほうにいると、リズベットが荷物を引きずって店のほうに来た。

「何であんたはパワー系のしか持ってないのよ……ここまで来るのになんでこんなに労力使わないといけないわけ……」

 近くにあった椅子にストッと腰を降ろし、大きく息を吐く。そしてゲツガは出来た槍を確認する。その時にリズベットが聞いてき
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