疑問兵長と相談する私 5
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私達は医務室に行き、ハルカは手当てを受けた。
幸い、全身の打撲で済み、暫くは安静にした方がいいとの事だった。
医務室の先生は、
「今からちょっと用事があるから部屋を空けるけど、少しベッドで横になってた方がいいわよ」
と言い残して出ていってしまった。
私とハルカの二人きりになり、ワイヤーの事について理由を聞いてみた。
すると、あのような事は今回が初めてではないらしい。詳しく話してくれた。
「最初は、訓練兵の時だったの。服が破られてて……それが日に日に酷くなって。中には、原形をとどめていない服もあった」
ハルカは少し俯き、金の髪が揺れる。
その他にも、トイレの個室に入ると水が降ってきたり、部屋に戻ると荒らされていたり、物が壊れていたりなど数えきれない程あった、とハルカは言う。
「そう、そんな事が……他の人には相談しなかったの?」
「しないよ。誰がこんな事してるのか、分からないのに……相談したらその人が張本人って事もあると思ったからね」
「そっか、そうだね。……でも、このままじゃ良くないよ? やっぱり誰かに相談した方がいいと思う。とりあえずは様子見よう? ハルカの身に何かあったら私、上の人に相談してみるね」
「分かった」
私とハルカは、もう一度何かあればすぐに他の人にも相談する事を決めた。
だけど、この時はまだ、ハルカに危険がすぐそばまで来ているなんて分からなかった……
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