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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第三十八話 要塞攻防戦(その3)
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「フォーク中佐、戦闘が終わった今、その情報にどれだけの意味があります?」
「まだ戦闘は終わっていません!」
「ああ、そうでしたね。でも、まあ、余り役には立たないと思いますよ。それに皆さん、もうすぐそれどころではなくなりますし」
「どういうことですか准将?」
グリーンヒル中将がいぶかしげに尋ねてきた。
「アルレスハイム、ヴァンフリート、そして今回のイゼルローン、国防委員長はどうお考えかと」
「!」
准将!こんなところで喧嘩売ってどうすんの! 見渡せば周囲はみな青ざめている。
「小官なら、我慢できないでしょうね」
周囲はますます青ざめている。時折、“喧嘩を売っているのか”、“ふざけるな”、“無礼にも程が有る”などと声が上がっている。同感、今すぐ口を閉じなさい!
「喧嘩を売るなどとんでもない。小官は停戦に来たのです。皆さんがこれ以上馬鹿な真似をして恥の上塗りをしないように」
総旗艦アイアースの司令部は怒号に包まれた。
■ エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
俺は今、ミュッケンベルガー元帥の私室へ向かっている。停戦交渉後イゼルローンに戻るとミュッケンベルガーより呼び出しが有ったのだ。同盟軍との停戦交渉はほぼ上手くいった。停戦交渉自体は受け入れてくれたし、シェーンコップとの話し合いも上手くいったと思う。
だが、ヴァレリーを帰す事は失敗した。同盟軍総旗艦アイアースを丁重に追い出された後、どういうわけか彼女も連絡艇に乗っていたのだ。何故戻らないと言うと、閣下のように誰彼構わず喧嘩を売る人間は放って置けませんとの事だった。冗談ではない、俺は喧嘩など売っていないと言うとリューネブルクは笑いながら、その通り、准将は喧嘩を最高値で買っただけです、等という始末だった。結局、俺は連絡艇、シュワルツ・ティーゲルに乗船中ずっと彼女の説教を聞かされまくった。少しは病人を労われないのだろうか。
ミュッケンベルガーは私室で一人宇宙を見ていた。
「閣下、ヴァレンシュタインです」
「うむ。停戦交渉ご苦労だった。で、どうであった」
「ご命令どおりに致しました」
「そうか、では食いついてくるか」
「敵も愚かではありません。この場でイゼルローンに攻撃を仕掛けてくる事はないと思いますが…なんとも…少し薬が利きすぎたかもしれません」
「フフフ、卿は口が悪いからの。しかしこれでロボスも次は必死になる。」
「はい。ロボス総司令官が罷免されれば、後任者に対して圧力になります」
「うむ」
「やはり、艦隊決戦をお望みですか」
「わかるか」
「閣下が宇宙艦隊の実力を確認したいと思っていることは理解しております。イゼルローン要塞の攻防戦で指揮権をお預け頂けたのも、停戦交渉を受け入れていただけたのもこの戦いを早く切り上げ、次の戦いに専念
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