第十四話 新宮殿の主
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り振った。
広大な土地を誇る新宮殿は、別邸と呼ばれる屋敷が無数に有り、それらの屋敷を家臣団の住居用に開放した。
それでも、土地が余っていたため、マクシミリアンは余った土地の半分を王宮に返還し、新宮殿内にある庭園の幾つかをトリスタニア市民に無料で開放して、市民の憩いの場を提供した。
次に、新宮殿地下の事について。
新宮殿の暗部ともいえる地下牢や秘密の通路はマクシミリアンの命で徹底的に掃除され、十数年間、しぶとく生き続けたモンスターたちは駆逐された。
こうしてマクシミリアンたちによって、地下施設は再利用される事になった。
地下通路はクーペの密偵団の行き来し、トリスタニア全体をカバーする諜報網を敷くことができるようになった。
新宮殿、2階の大会議室にて……
現在、大会議室ではマクシミリアンを含めた家臣団が、北部開発の現段階での報告と、これからの方針を話し合っていた。
「北部開発、開始から現在までの達成率は約40%です」
進行役のミランがこれまでの進行状況を報告した。
「道路、農場の整備は完了。残るは、沿岸部、河川部の整備……か。むしろここからが本番だな」
マクシミリアンが資料を見ながら呟いた。
「具体的には堤防とダム建設が主流になるでしょう」
文官の一人がマクシミリアンの問いに答えた。
「それでは、沿岸部、低地地帯の干拓計画はどうなっている?」
「干拓堤防と水門の建設を予定しています。北西部沿岸のみの計画ですと完成までおよそ5年を予定しております。が、トリステイン王国の全ての沿岸部を干拓いたしますと、完成まで10年以上は掛かると思われます」
「ひょっとしたら建国以来の大プロジェクトになるかも知れないな……ともかく、予算のほうは心配ないから、しっかりやってくれ」
「ははっ」
「分かりましたっ」
文官らがマクシミリアンの激励に答えた。
「続きまして、次の案件は……」
その後も、会議は滞りなく進み、ヴァール川河口に建設中の新都市計画に議題が移った。
「殿下、現在建設中の新都市についてですが……」
都市建設担当の文官が計画書を読み上げる。
新都市は主に重工業を中心に発展させる予定である事。
製鉄所など建設し冶金技術の向上に力を入れる事。
大規模な造船所を建設し、空海軍増強の体勢を整える事。
基本的にフネはガリア両用艦隊のように水上でも航行出来るように設計する事。
……などと、他にもいろいろあったが、掻い摘んで言うと、将来的に、この新都市から工業化をトリステイン中に伝播させる予定だ。
説明が終わると、一人の文官が発言を求め、ミランはこれを承諾した。
「マクシミリアン殿下に、ご質問
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