番外 リオINフロニャルド編 その4
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サイズに戻ったアインハルトさんを抱き上げ、アオお兄ちゃんはあたし達を伴ってアインハルトさんを医務室へと運びいれた後、仕事があるとその場を辞した。
…
…
…
「ここは…」
しばらくすると、ベッドに寝かされていたアインハルトさんは目覚めたようだ。
「医務室のベッドです。模擬戦の最後でアインハルトさん、倒れちゃって」
と、ヴィヴィオが説明する。
「それにしても最後の一撃はすごかったです。ほとんど何にも見えなかったし。一体何ていう技なんですか?」
コロナが少々興奮しながら問いかけた。
「覇王流、天竜必墜・閃衝拳。
クラウスが竜王を倒す為だけに編み出した切り札です。コブシに魔法を載せて打ち砕き、閃光で相手の視界を奪い攻撃する技なのですが、そんなことしたら自分の視界も遮りますよね。クラウスはどうしてそんな技を作ったのでしょうか」
「……多分、対写輪眼の切り札だったんだと思います」
「写輪眼…の?」
「写輪眼の能力の一つにその動体視力のすさまじさがあります」
「動体視力?」
「はい。その動体視力はおよそ常人の数倍。普通の人が知覚出来ない速度での攻撃も写輪眼には追う事ができるくらいです」
「つまり、自分ですら認識できないほどの速さで攻撃したと思っていてもアオお兄さんやリオには見えているって事?」
と、コロナが横から問いかけた。
「そうなるね」
「何そのチート能力!?」
とコロナが憤慨した。
あたしもそう思う。
「そうですか。それで合点が行きました。なぜクラウスがフラッシュを利用し、自分の視界を妨げるような攻撃を編み出したのか。それが、何故愚直なまでの高速攻撃だったのか…」
「どういう事ですか?」
そう言ったのはまたもコロナだ。
「写輪眼は結局『視る』能力なんだよ。視界をふさがれるような強力な光で視る事を阻害されたらやはり何も見えないんだ。それと、例え見えても防御が間に合わないような速度での攻撃なら、見えていてもかわせないからね」
と、あたしが解説した。
「あ、そうか」
あたしの説明に納得するコロナ。
「そう言えば、アオお兄ちゃんとの模擬戦、どうだった?」
ヴィヴィオが聞きたくてうずうずしていたのだろう。
そんな声色がヴィヴィオの言葉の抑揚から感じられた。
「どう表現して良いのか…ただただ凄かったです。あれが古代ベルカ時代に魔王と言われた英傑…」
アインハルトさんがため息と同時にそんな言葉をこぼした。
「魔王なんて言葉、普段のアオさんを見ていると全然似合いませんけどね」
と、コロナ。
「けれど、戦場に出た彼は1人で炎の壁を作り出し、敵軍を焼いた事もあるのです…
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