番外 リオINフロニャルド編 その4
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ねた。
「ああ、クラウスが使っているのを見て覚えた」
「見て?」
「正確にはコピーした、かな」
コピー?
「彼とは何度も戦ったからね。彼の使った技は覚えているよ」
それは、覇王流を使えると言う事?
「まさか自分の前に覇王流が立ちはだかるなんて…」
「どうした、やめるか?」
「いいえ、行かせていただきます」
繰り出したコブシ、蹴り、その全てを持ってアオさんを打倒せんと立ち向かうが、相手は何度も覇王流と戦ったのだろう。
確実に私の攻撃をさばき、的確にカウンターを入れてくる。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
強い…これが、王…それもベルカ最強の竜王…
まさかこれほどまでに力量差が有るなんて…
それも、魔法も念もほとんど使わないで、だ。
次で最後だ。
覇王流の中で一つだけ、特殊な技がある。
名を『天竜必墜・閃衝拳』と言う。
私は両足に再び力を込めると今までに無い速度で駆け、最大速度のコブシを繰り出した。
コブシの先に発光魔法を発動させ、繰り出したコブシでブレイク。
強烈な閃光が辺りを包み込む。
自分の攻撃に目がくらみつつも止まることなくコブシを突き出した。
「はあああああああっ!」
その一瞬、私は音すらも置いて来たように感じた。
『天竜必墜・閃衝拳』はクラウスが晩期に編み出した、ただ愚直なまでの正拳突きだ。
魔力で拳速をブーストし、目にも留まらぬ速さで敵を真正面から打ち砕く。
天の竜を必ず堕とす、つまり竜王を打ち砕くと言う事だ。
クラウスは晩年、この技を振るう相手もいないのに何度も練習していた。
ズバーンっ
乾いた音が辺りに響き渡る。
「まだまだ…ですね」
「いや、とどいてるさ」
私のコブシは受け止められ、そこで全ての力を出し尽くしてしまった私は意識を手放した。
◇
アインハルトさんの最後の一撃は写輪眼でかろうじて追う事のできるくらい高速の正拳突き。
魔力でフルブーストされた体から撃ちだされたそれをかろうじてアオお兄ちゃんは受けた。
「まだまだ…ですね」
「いや、とどいてるさ」
その会話の後、崩れるように気を失ったアインハルトさん。
それを受け止めたアオお兄ちゃんの両腕の防具はことごとく破壊されていた。
「咄嗟に取った防御がたまたまアインハルトの攻撃の射線上にあっただけだ。今の攻撃は一体どのくらいの速度で攻撃したのやら。ありったけのブースト魔法の重ね掛けと言った所か」
その分反動も大きかったはずだとアオお兄ちゃん。
「気絶してるだけだろうけど、一応医務室に運ばないとかな」
変身魔法が解け、体が縮んで元の
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