秋山 駿
第二章 交わる想い
第七話 繋がり
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追ってください」
「でも、1人じゃ無茶よ。麻田さん達、追われてるんでしょ?」
「だからこそだ。狭山さんを巻き込みたくない」
ドクンと心臓が高鳴る。
一瞬狭山と亡くなったリリを重ね合わせた。
秋山は怖かった。
リリだけじゃない。
届く距離にいた遥さえ、守れなかった。
もう誰も守れる気がしない。
明るく気丈に振る舞ったって、その恐怖からは逃れられなかった。
あの日から、何もかもが変わってしまったんだ。
狭山は目が泳ぐ秋山の頬を、軽くだがビンタする。
痛みでようやく我に返り、真っ直ぐ見つめる狭山に気が付いた。
「何を考えてるかわからないけど、そんな腑抜け顔じゃ誰も守れないわよ。しっかりしなさい」
腑抜け顔……。
そんな顔してたのかと考えると、少し馬鹿らしくなった。
今は悩む時じゃない。
「今は……動かないとな」
「その調子なら大丈夫そうね。そっちは任せるわ」
秋山は小さく笑った。
そのまま須藤に呼んでもらったタクシーに乗り込み、秋山は1人神室町へと向かう。
さっきまで怯えていたのがまるで嘘だったかのように、その顔は決意に満ちていた。
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