暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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体全体を回転させるようにして受け流しながら、キリトは背中合わせになった小さな背に咳き込むように言う。
「レン!退くぞ!」
「ユウキねーちゃん達と先に行って!少しでも釘付けにしとかないといけないでしょ!」
「だけど……ッ!」
こちらをチラ、と見た少年はニヤリと不敵に笑った。
「優勝はキリトにーちゃんにあげるよ。ま、ユウキねーちゃんを倒せたらー、だけどね」
「……はっ、お前も倒してやるよ」
「言うねー。にーちゃんはコンボ狙いすぎてて動き読みやすいから気をつけてね」
「余計なお世話だ!」
ゴッッッンン!!!
軽口を叩く二人を両断するように拳が振り下ろされる。
地殻を揺さぶる拳撃から発生する衝撃波と岩弾をしのぎ切り、キリトが辺りを見回すと、もうレンの姿は見えなくなっていた。
その代わりのように、耳をつんざくような不快な金属音が響き渡り、マークUの巨体のあちこちにチカチカと閃光が走る。
―――ッ!頼んだぞ!
胸中でそれだけを呟き、黒衣の少年はユウキとミナを見つけて一緒に戦線を離脱すべく、髪を翻す。
「ディルアアアアアアアアアアァァァァァァaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!」
暴走し、歯止めがなくなった巨人の咆哮がびりびりと大気を叩く。
だが。
―――何でだろう……。
レンには、その雄叫びがどこか虚しく響いているように感じられた。
直近から見れば白い壁にしか見えない足回りをウロチョロしながら巨人の注意を引く。
すれ違いざまにその真っ白な装甲版に必ず一発くれてやっているのだが、傷は付けど効いている気配が一向にない。
靭帯とか腱とか切れてくれて、ついでにブッ倒れてくれれば御の字だと思っていたが、そもそもコレにまともな身体構造が詰められているかも謎だ。硬いのは外縁だけで、中身はすっからかんのがらんどうだったとしても驚かない。
得物のない状態というのは、GGOにログインした時と同じとはいえ、明確に失ったと確信した今とは大違いな気がする。
じりじりとした焦燥感のようなものが神経を炙り、少年の心を希硫酸でゆっくりと溶かすように舐めとっていく。
だが、それを振り払うように足の裏で赤茶けた岩盤を蹴り飛ばしながら、レンは漠然とした諦観のような気持ちになった。
「……そっか」
ゾン!!と。
大気を引き裂く恐るべき音とともに振り下ろされる拳を避けるのではなく、あろうことか飛び乗り、そのまま腕を伝って少年は軽やかに天を駆ける。
血のように真っ赤な単眼レンズがこちらを射抜き、振り落さんと自由な左手を振りかぶる。
だが、それを目の端で捉えながらも、《冥王》と呼ば
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