暁 〜小説投稿サイト〜
Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#29 国境を越えて
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
喋ってしまう所だったのだろう。

「お前こそ、モースって奴の回し者じゃないのか?」

 ティアに敵意を向けるのはルークだ。尊敬し、信頼している師を前にして、師のヴァンに敵意を向ける以上、自分にとっても敵だ。と思っているかの様だった。


「ルーク。 ティアには何度も救ってもらってるんだよ。……そんな事ないとオレは思うよ。付き合いの方はルークの方が長いんだからさ」
「うるせーよ!」

 アルの言葉を一蹴するルーク。
 ティアが、ヴァンに敵意を向け続ける以上、ルークには納得して貰う事が出来ない、と思えてしまっていた。……いや、最初から、こういうことになるのは必然だと感じた、


「お前が大詠師の命令で探しているもの………《第七譜石》か」

 
 ヴァンの言葉に場の空気が変わった。
 完全に皆の表情は強ばりを見せている。……約2名を除いて。

「第七譜石……? 確かそれって………」

 アルも、頭の中で整理し、思い出していた。
 アクゼリュスで勉強をしていた時、間違いなく 学んだ筈だから。

 だが、ルークはそうはいかない。

「はぁ? なんだそれ?」

 ルークは、全く知らない様だった。いや、恐らくは 習っているだろう。
 でも、頭の中に入れていない様子だ。


「ありゃりゃ………」
「箱入りすぎるってのもなぁ……」


 一般常識である事を知らないから、ルークを見る目がやや冷ややかになってしまっている。当然ながら、そんな視線を感じたルークは苛立ちを隠せられない。

「んだよ! 人を馬鹿にしたみたいに!!」

 ルークはそう言った扱いが嫌いみたいだ。自分だけが除け者にされている様な感じがするのだろう。
 そんな時だ。


「あのね。ルーク。第七譜石って言うのは… えっと……、そう! 今から2、000年前だったかな? ユリアって人がが詠んだ予言(スコア)の事、だよ」

 アルは、決してルークの事を笑ったりしていない。自分自身とルークは云わば同じ境遇なのだから、笑えるはずも無い。

 唯、自分は 拾われた場所が良かったから。運が良かったから、 知識を得ることが出来た。その違いだけなのだろう。恩を強く感じる事も出来たし、家族の暖かさも得る事が出来たのだから。

 運が良かった、としか言い様がなかった。



「はぁ……、 同じ記憶喪失者なのになんでここまで差があるのかしら?」

 アルとルークを交互に見て、ため息混じりにそう言うティア。
 勿論、その発言で更にルークが怒ったのも無理はないだろう。




 その後は、ルークの為のプチ講習会を行った。


 主に第七譜石とそれを巡り、起きた戦争。それらを一通り聞いた所でルークはティアの方へ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ