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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#29 国境を越えて
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喋ってしまう所だったのだろう。
「お前こそ、モースって奴の回し者じゃないのか?」
ティアに敵意を向けるのはルークだ。尊敬し、信頼している師を前にして、師のヴァンに敵意を向ける以上、自分にとっても敵だ。と思っているかの様だった。
「ルーク。 ティアには何度も救ってもらってるんだよ。……そんな事ないとオレは思うよ。付き合いの方はルークの方が長いんだからさ」
「うるせーよ!」
アルの言葉を一蹴するルーク。
ティアが、ヴァンに敵意を向け続ける以上、ルークには納得して貰う事が出来ない、と思えてしまっていた。……いや、最初から、こういうことになるのは必然だと感じた、
「お前が大詠師の命令で探しているもの………《第七譜石》か」
ヴァンの言葉に場の空気が変わった。
完全に皆の表情は強ばりを見せている。……約2名を除いて。
「第七譜石……? 確かそれって………」
アルも、頭の中で整理し、思い出していた。
アクゼリュスで勉強をしていた時、間違いなく 学んだ筈だから。
だが、ルークはそうはいかない。
「はぁ? なんだそれ?」
ルークは、全く知らない様だった。いや、恐らくは 習っているだろう。
でも、頭の中に入れていない様子だ。
「ありゃりゃ………」
「箱入りすぎるってのもなぁ……」
一般常識である事を知らないから、ルークを見る目がやや冷ややかになってしまっている。当然ながら、そんな視線を感じたルークは苛立ちを隠せられない。
「んだよ! 人を馬鹿にしたみたいに!!」
ルークはそう言った扱いが嫌いみたいだ。自分だけが除け者にされている様な感じがするのだろう。
そんな時だ。
「あのね。ルーク。第七譜石って言うのは… えっと……、そう! 今から2、000年前だったかな? ユリアって人がが詠んだ
予言
(
スコア
)
の事、だよ」
アルは、決してルークの事を笑ったりしていない。自分自身とルークは云わば同じ境遇なのだから、笑えるはずも無い。
唯、自分は 拾われた場所が良かったから。運が良かったから、 知識を得ることが出来た。その違いだけなのだろう。恩を強く感じる事も出来たし、家族の暖かさも得る事が出来たのだから。
運が良かった、としか言い様がなかった。
「はぁ……、 同じ記憶喪失者なのになんでここまで差があるのかしら?」
アルとルークを交互に見て、ため息混じりにそう言うティア。
勿論、その発言で更にルークが怒ったのも無理はないだろう。
その後は、ルークの為のプチ講習会を行った。
主に第七譜石とそれを巡り、起きた戦争。それらを一通り聞いた所でルークはティアの方へ
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