暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第十六話「ヘンリー、孤独な目の王子」
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


〜ラインハット〜

滅びたレヌール国の領土を併合した為に北大陸のほぼ全土を統治する大国である。
その城下町もかなりの規模であり、城自体もレヌール城を遥かに上回る壮観さでリュカも辺りを見回しながら驚いていた。

「うわ〜〜、すごいね父さん」
「うむ、何しろこの北大陸の大半を治める国の城だからな」

リュカはリンクスを抱き抱えながらそう呟いた。
城下町で魔物が歩き回るのは目立ち過ぎると言う事でリュカがリンクスを抱きしめ、リンクスも大人しくしている事で危険は無いとアピールしている。

これはパパスの提案であった。

「では城へと赴くとしよう。城の中では大人しくしておるのだぞ。リンクスもな」
「うん、分かってるよ!」
「ガウ!」


―◇◆◇―

跳ね橋を渡り城門を前にすると門番の兵士が槍で門を塞ぎ詰め寄って来る。

「待たれよ!貴様等は何者だ、それにその子供が連れているのは魔物では無いのか?」
「私はサンタローズのパパス、ラインハット王・レナス陛下の要請で(まか)りこした。この子は私の息子のリュカ、連れている魔物も息子に懐いていて暴れる心配は無い。この事はレナス陛下にも御許可は頂いている、ご確認をいただきたい」
「そうか、ならばしばし待たれよ」

兵士の一人はそう言うと確認の為に城の中へと入り、しばらくすると駆けて来た。

「失礼しました、サンタローズのパパス殿。陛下がお待ちです、こちらへどうぞ」
「うむ、失礼する」

兵士の案内でパパスとリュカは城の中へと歩み出す。
城の中はやはりレヌール城よりも遥かに立派でリュカも目を輝かせながら見入っていた。

廊下を歩いている時にふと窓に目をやると中庭で一人、剣の練習をしている少年がいた。
その少年は剣を持ち、素早い動きで見えない敵と闘っているようだった。

視線に気付いたのか、その少年は動きを止めるとリュカを見つめたがすぐに目線を外し再び剣の練習に戻った。

「リュカ、どうかしたのか?」
「ううん、何でもない」

パパスに呼ばれ、リュカは歩き出したがさっきの少年の目が忘れられないでいた。
あの、孤独そうで冷たい目線が……。

「何だかあの子、僕の事睨んでいた気がする」


―◇◆◇―

案内をする兵士に連れられパパスとリュカは玉座の間に辿り着いた。
玉座に座っているレナス王はパパスを見ると懐かしそうに微笑むが、咳払いをすると厳しい目に戻りパパスを見据え、パパスもその玉座の前に膝を付いて平伏し、リュカも慌てて頭を下げる。

「そう硬くならずとも良い、お主の高名は儂の耳にも届いておるぞ。
そしてその子がお主の息子の」
「はい、陛下。我が息子のリュカです」
「こ、こんにちは、リュカです」
「成程な、既に何
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ