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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第十六話「ヘンリー、孤独な目の王子」
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匹かの魔物を従えている筈だ。良い目をしている」
「違うよ、リンクス達は僕の大事な仲間で友達なんだ。従えているわけじゃないよ!」
「こら!国王陛下に対して何と言う口の利き方だ!」
「これ、リュカ」
「ははは、よいよい。その子の友達を侮辱した様な言い方をした儂が悪かった。すまぬな坊やよ」
「ううん、いいんです。僕の方こそごめんなさい」
激昂しかけた兵士もリュカが素直に謝った事で落ち着きを取り戻し、話は続いていく。
「ではパパスよ、そなたを呼んだ用事だがな……、すまぬが此処は儂とパパスの二人だけにしては貰えぬか」
「は?しかし…」
「この者は信頼が置ける人物だ。下がっていてくれ」
「御意。では失礼いたします」
「リュカよ、此処からは大人の難しい話だ。お前は城の中を見せてもらいなさい。一回り回る頃には話も終っているだろう」
国王の傍に控えていた兵士は命令通りに玉座の間を後にし、リュカも下の階へと降りて行く。
降りて行った下の階には豪華な扉があり、その扉が開くと一組の親子が出て来た。
母親の方は煌びやかなドレスに身を包み誇らしげな笑みを浮かべており、子供の方はいかにも王子様という様な格好だったが何処となく俯き加減で表情は暗かった。
「おや、そなたは?」
「は、はい。サンタローズから来たリュカです」
見た目からこの城の王妃だろうと察したリュカはパパスの為にも問題を起こさない様に丁寧口調で挨拶をし、頭を下げた。
「ほほほほほ、中々行儀の良い子ですね。その様に身の程をわきまえておけば将来、デールの良い部下になるでしょう。頑張って精進なさい、ほほほほほほ」
それに気を良くしたのか、王妃は笑い、息子の事を誉め立てる様に担ぎ上げて笑いながらその場を後にした。
デールと呼ばれたその子供はそんな母の傍で増長する訳でも無く、申し訳なさそうにリュカに頭を下げるとそのまま王妃の後についていく。
「何や、イヤな感じの王妃様だったけど、あのデールっていう王子様はどことなく寂しそうな感じだったな」
デールはリュカ達から離れる時にリンクスを抱きしめているリュカを羨ましそうに見つめていて、リュカはそんなデールの目を寂しそうだと感じていた。
実際にデールの傍にやって来る子供達は王妃によって厳選され、家臣としての態度しか取る事を許されてはおらず、動物と触れ合う事も汚らわしいと禁止されていた。
一階に降りて、兵士や城に仕えている人達と話をしているとこの城にはもう一人の王子が居るとの事だ。
その王子の名はヘンリー。
ヘンリーの父親は本来ならラインハットの王位を継ぐ者であったが、
政事
(
まつりごと
)
には興味を見せずに武力のみを
磨
(
みが
)
き、王位を弟のレナスに譲り渡すと修行だと言って旅立ったのである。
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