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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第220話 霜の巨人の王
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ポン》を唯一持つのは、リュウキただ1人ではあるが、決して他の者達も見遅れなどはしない程の一品を持ち合わせている。全てが固有名付きの古代級武器《エンシェント・ウェポン》か、或いはマスタースミスであるリズベットが鍛えた会心の銘品なのだから。
だが、さして 不快にも思っていないのだろうか、スリュムは、向けられた無数の刃を見ても、決してその不敵な笑みを消そうとはしない。……それも仕方がない事だろう。この中で一番の大物を持っているリュウキの剣にしたって、あの王からすれば、少々長い爪楊枝程度にしかならないのだから。
……だが、ここでキリトは 思う所があった。
リュウキの持つ神の剣と呼ばれる武器《レーヴァテイン》。それを持つ男を認識すれば、ウルズ同様に何かしらスリュムから反応があるだろう、と思えていたのだが、不敵に笑うだけで 何にも言わないのだ。等のリュウキはと言うと、まだ 鞘から抜ききっておらず、ロッドと剣のどちらでも抜ける様に備えている。
あまりの大きさ故に、これまでの敵とは違い、大規模魔法の方が効率が良いかもしれない、と思っているのだろう。
剣を完全にみせていないから、スリュムが反応しないのだろうか? と思えたキリトだったが、それは違った。
――もう、
既に
(
・・
)
スリュムが注目している者がいたからなのだ。
「……ほう、ほほう……。そこにおるのは、フレイヤ殿ではないか。檻から出てきたということは、儂の花嫁となる決心がついたのかな、ンン?」
スリュムの一言、そして 自然と向けられた視線の先にいる、先程仲間になったばかりのフレイヤを見定めていたのだ。
このイベントが過ぎ去れば、何らかの反応を見せるかも……と思っていた矢先、思考をかき消す勢いで、クラインが半ば裏返った叫びを漏らした。
「はは、ハナヨメだぁ!?!?」
その言葉を、スリュムは即座に認識。やはり、大ボスであるから、それなりのAIを搭載しているのだろう。
「そうとも。その娘は、我が嫁として、この城に輿入れしたのよ。だが、宴の前の晩に、儂の宝物庫を嗅ぎまわろうとしたのでな。仕置きに氷の獄へ繋いでおいたのだ。ふっ、ふっ、ふっ……」
フレイヤについては、まだまだ不明確な部分があったのだが、ここらで状況を整理する事にした。先刻、フレイヤは『一族から盗まれた宝を取り戻すため、この城に忍び込んだ』と言っていたが、スリュムへイムは空中に浮かぶ城。今は出払っているものの、無数の邪神も存在している為、忍び込むのは困難極まるだろう。
そこで、花嫁になる、と偽り 堂々と城門をくぐり、王の玉座の間に侵入。……奪還しようとしたが、門番に発見されて、牢屋に鎖で――、と言う設定が一番しっくりくる。
内心で色々と考えている内に
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