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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第220話 霜の巨人の王
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て、実際に売却してみないと判らないのが、普通なのだが……。
「………アホ。どうやって計算しろ、っていうんだよ」
「じょーだんって、判んないのっ! って、こ〜〜んな、黄金卿を見つけて、感動が少なすぎるでしょ! これだけあれば、レイに素敵な プレゼントだって、たっくさん買えるのよー。あの指輪作ってた時みたいにっ!」
「っ……」
「り、リズさんっ!?」
「…………」
それは、確かに魅力的な話だった。
確かにこの世界ででは、金銭が余っている、様な事は今の所、リュウキにはない。『これだけ貯めれば、あれを買おう』と先の先まで予約済みだから。……リズの言う通りレイナ関連がほとんどである。因みに、やっぱり、そう言う話には(指輪と言う単語も) やや複雑であるシノンは、ぷいっ! とリュウキから視線を反らせるのだった。
「はぁ、緊張感ないな……。でもま、こんなことならストレージをスッカラカンにしてくるんだった……」
「あ、あははは……」
キリトもそうつぶやいてしまう。目も眩む程のお宝の山を見てしまえば仕方がないだろう。アスナも苦笑いをして、クラインも当然ながら 大口を開けているし、シリカも、ピナをぎゅっと抱きつつ、驚きの表情を見せている。『すっごいね……ピナ』と呟きながら。
「これだけあったら、アシュレイさんの所の最高級装備も……」
リーファも 貰えるモノ、と認識をしているのだろうか? 指を折りながら何を買おうか、と迷っているのだった。因みにアシュレイとは、ALO屈しの《
服飾職人
(
マスターテーラー
)
》である。……また何れ語る時も来るだろうから、割愛。
そんな感じで、お宝に目を奪われるとはこの事、と指南を受けつつ、クラインが実際に手触りでも確認したいのだろうか? 或いは、また武士道に突き動かされたのだろうか? 判らないが、ふらり、ふらりとお宝の山へと数歩近づいたその時だ。
「………小虫が飛んでおる」
突如、まだ
視認不可能
(
アンノウン
)
だった筈の奥の暗闇から、地面が震える様な重低音のつぶやきが聞こえた。それは止まる事なく、全体に威圧感を放ちながら続く。
「ぶんぶん煩わしい羽音が聞こえるぞ……。どれ、悪さをする前に、ひとつ潰してくれようか」
まだ視界に捉える事は出来ていないが、恐らくこちら側へと向かってきているのだろう。
ずしん、ずしん、と床が震え、その音が近づいてきているのだから。今にも氷の床を砕いてしまいそうなほどの重々しさだ。
やがて、ライティングが届く範囲に、ひとつの人影が出現した。
巨大―――……などというものではない。地上をうろつく人型邪神や、これまでこの白で戦ってきたボス邪神達と比べても、明らかに倍以上はあろう体躯。遥か高みに見える
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