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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第220話 霜の巨人の王
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新たな仲間と共に、スリュムヘイムを突き進んでいく一行。
そして、軈て下り階段へと差し掛かった所で、だんだん皆判ってきた様だ。何故なら、その道中から、モンスターもまるで現れないと言うのに妙に道幅が広がり、更に周囲の柱や彫像と言った、装飾オブジェクトもより華美になっていったからだ。
つまり、《ボス部屋に近づくとマップデータが重くなる》と言うアインクラッド以来の伝統が生きている。……厳密に言えば 様々なRPGゲームでは一貫して言える事でもあるのだが、VRMMOで言えばアインクラッドが初代である為、そこからの派生となっているのだ。
その突き当たりには、2匹の狼が掘り込まれた分厚い氷の扉が立ちはだかっていた。つまり、この先が最終決戦の場。《霜の巨人の王》がおわす玉座の間になっているのだろう。
周囲に妙なギミックが無い事を十分に確認しつつ、慎重に皆は歩み寄った。
そして、目算で約5m程 あの巨大な氷の扉に近づくと、プレイヤーを感知した様に、ぎぎ……と言う音が場に響いた。左右に開こうとしたのを確認すると、先頭に立っていたキリトは、速やかに後ろに下がる。万全を期す為に。
それは、アスナやレイナも十分判っていた様だ。互いに頷き合うと。
「じゃあ、皆 支援魔法を
張り直し
(
リバフ
)
するよ」
「うん。私も、次 いつ出来るか判らないからね」
アスナとレイナが示し合わせて、其々の力を皆に分け与えていく。
そうしている内に、フレイヤも一歩前に出ると。
「では、私も……」
フレイヤが唱える
呪文詠唱
(
スペル・ワード
)
の組み合せは知らないものだった。
その感覚は間違いではなく、これまでで初めての効力を持つ支援魔法が発動する。
視界端に表示されているHPゲージの最大値が大幅に増えているのだ。
「私、
最大生命値
(
MAX・HP
)
が増える魔法なんて、初めてですっ」
「きゅるる〜」
シリカも驚きながら、自分の身体のあちらこちらを、ぺたぺた、と触っていた。
こう言う自分のステータスが上昇する、という事で一時的には 自らが強くなるという事だから、ついつい感触を確かめる様に触ってしまうのはよくある事だった。
「……オレもだ。多分、リタも知らないかもしれないな。
フレイヤ
(
NPC
)
の専用支援魔法、と言った所か……。さて、ここからだな」
リュウキも、大幅にブーストされたHPを見てそう呟いていた。
大体120%程上昇しているHP。それがもたらしてくれるのは、当然HPが高いと言う有利さは言うまでもない事だろう。大分戦いやすくなる事は事実。……だが、その反面 これから戦う相手の事が判る。推測が出来る。
まだフレイヤの存在が、これから先どうなっていくのか……判明はしていない
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