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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第十五話「スラリンとの語らい、そして運命の城へ」
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妖精の国での闘いは終わり、サンタローズもようやく訪れた春の陽気が包み込んでいた。
リュカも妖精の村から帰ってきた当時は暗い表情をする事が多かったが、最近は笑顔で村の中で走り回っている。
そしてパパスはそんな息子の事を不思議そうに見つめていた。
―◇◆◇―
「ふあ〜〜あ、父さん、おやすみ」
「ああ、お休みリュカ」
夜も更け、リュカは眠りに就く為二階の部屋へと上がって行き、リンクス達も後に続く。
一時してパパスが部屋を覗くとリュカはリンクスを抱きしめながらよく眠っていた。
スラリンとピエールはリュカの枕の横で寝ており、リンクスもリュカの胸の中で寝ているが、何処となく顔が赤い気がする。
パパスはそんな微笑ましい光景を笑みを浮かべて見つめると小さな声でスラリンの名を呼ぶ。
するとスラリンは目を開き、パパスと一緒に部屋を後にする。
―◇◆◇―
パパスは昼の内にスラリンに頼んでおいたのだ、夜リュカが寝静まった後に話がしたいと。
「すまないなスラリン、こんな夜遅くに」
「ううん、構わないよ。それで僕に話って何?」
「単刀直入に聞こう。…リュカに一体何があった?」
パパスの疑問は其処にあった。
サンタローズがようやく暖かくなって来たその日からリュカの様子が変わって来たからだ。
一見すると無邪気な子供の様だが数多くの闘いを潜り抜けて来たパパスからして見れば明らかに違って見えた。
何と言うか、戦士として一段階先に進んだとでも言うべき感じなのだ。
スラリンは少し悩んだが隠さずに全てを話す事にした。
妖精の国での出来事を、リュカが体験したあの悲しい闘いを。
―◇◆◇―
――スラリンが話してくれた事は私にとって驚愕に値する物だった。
私ですら何かを犠牲にしなければならなかった闘いは成人してからの物だった。
当然と言えば当然なのだろう、あの子とは違い私は王室で育ち成長して行ったのだから。
だがあの子はあの幼さでそんな闘いを経験し、苦しみ、悲しみ、それでも前を向いて進む事を選んだ。
あの汚れの無い笑顔がその証拠であろう。
そんな息子が誇らしくもあり、そして悔しかった。
あの時マーサを護れなかったばかりにリュカにこの様な運命を歩かせる事になった自分が情けなかった。
あのまま城に残しておけばその様な苦しみを味わせずに済んだのではないか?
しかし、マーサとの絆を離したくは無かった、傍に置いておきたかった。
我儘だとは解っていたがそれでもリュカを連れていく事を選んだ。
そんな後悔が顔に出ていたのだろうか、スラリンは言ってくれた。
『そんな事は無い』と。
「パパスさん。多分リュカを旅に連れて来た事を後悔してるんだと思うけどリュカはパパスさんと一緒に居られ
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