暁 〜小説投稿サイト〜
Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#28 カイツールを目指して
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ているのだから当然興味はあるのだから。

「ん? ああ……、大した事じゃないけどね。時折……、 戦闘の経験に合わせて色々指南してくれてる、みたいなんだ。 戦ってる最中に話しかけられるのは、ちょっと迷惑なんだけど……ね。ん、詳細は 頭の中に知らない詠唱文とか図形とか出て、それの意味とかね。あ、でも 直接的な言葉はないよ? ただただ 詳細、説明文っぽいものだけ、かな」
「なんだそりゃ……。 でも、いーなー それ。俺なんか頭痛がするだけで意味がまったくねーってのに」

 それを聴き終えると、ルークは 再び歩き始めた。

「しかし……、それは本当に何なのですかね? そう言う幻聴…の類は聞いた事のある症状ですが…… それが譜術を教えてくれるとなると…不思議を通り越して不自然ですね」

 ジェイドのそれは、基本的にずっと思ってきた事だった。 
 そう、あのエンゲーブの村の夜に言われた時から考えていた事だった。気になるのも当然だった。自分の知識の中ででも、そのような事例は他に聴いたことないのだから。

「あははは……、 オレが思ってる事そのまんまだよジェイド。 ……オレだってこんな不自然で得体の知れない力を使うなんて嫌だって思ってたけど。 ……でも、まあ仕方ないじゃん? 結果として、皆の力にだってなれてるんだしさ?」

 アルはそう言って、拳を握った。
 記憶もなく、ただただ何も出来ないよりは何倍も良い。故郷(アクゼリュス)の為に、出来る事があるのだから。
 
「そうですか…」
「ふふふ」

 アルの言葉を訊いたジェイドとティアは笑っていた。

「ん……? そこ、笑う所なの??」

 当然ながら、アルは、笑われる意味が判らなかったから、頭を傾げていたのだった。

「(やれやれ、本当に同じ記憶喪失者なのにえらい違いようですね…)」
「(まったくです……)」

 それは、とある2人を見て感じた、ティアとジェイドの密談である。

「(そう言ってやんなって2人とも、 ルークの場合の記憶喪失って言うのは全部忘れて生まれたばかりの赤ん坊みたいな状態だったんだぜ?)」

 2人の言いたいことも判るけれど、身内だからこそ判る所もある、とガイが加わり、苦笑いをするのだった。



 
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