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竜から妖精へ………
第9話 ゼクト vs エルザ
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 そんな時、何故好きだと感じるのか判らないが、心から大好き、と言ったフェアリーテイルに来たんだ。



 ミラは、それを訊いて改めて罪悪感を感じていた。

「私……ほんとに酷い事いっちゃったな。ゼクトに 見下すとか……嘲笑うとか……」

 思ったのは、先程の事だ。

 彼に、ゼクトにそんな事できる訳が無いんだ。ギルダーツが言ってた事、今ならミラも理解できた。
 
 でも、暗い気持ちと顔をするのは、一瞬だけだった。


「(……私がこんな顔しちゃ…、駄目っ)」

 ミラは、顔を両手で“パチッ”っと叩くと。



「ゼクトーーッ! エルザなんかに負けたら許さないからーーーっ!」



 ゼクトは笑顔を好む。暗い顔よりも、何倍も。

 だから、ミラは笑顔で、それでいて、大声で声援を送ったのだった。









 当然だけれど、ミラの声は大きかったから、声は十分に届いていた。

「あっ……うん。頑張るよ! ミラっ」

 突然の大声に、ゼクトは 少し驚いたけど……自分を応援してくれてるって言う経験は初めての事だったから、とても嬉しかった。

「むぅ……ミラのヤツ! またっ!」

 でも、反対にエルザは不機嫌だった。また挑発された様なものだから。

「あのっ…その…よろしくね?」

 ゼクトは、ちょっと慌ててそう言っていた。また、ミラとの件が始まってしまったら本当に長いから。ギルダーツにも言われた事もあるから 肝に銘じている様だった。

「ッ! ああ、よろしく頼むぞ!」

 エルザは慌ててゼクトを見た。

 エルザ自身も、ギルダーツの話も聞いている。

 この……目の前の男の子は本当に優しい。

 たぶん……今のやり取り、エルザや、他のメンバーからすればいつも通り。いつもの光景なのだけど、当然入ったばかりのゼクトにとっては、違う。

 そう、心配されるのはギルドの先輩にとってあるまじき事、だろう。

「知っていると思うが、自己紹介をしよう。私はエルザだ。よろしくな」

 エルザは、まず自己紹介をしていた。

「あ…うん。オレはゼクトだよ。よろしくね」

 ゼクトも、エルザの様に返した。

「よし……っ これで、私達はお互いを知った。 自己紹介は終わりだ。――……私も本気で行く。私の今の実力を試してみたいからな。だから、手を抜くなよ? ゼクト。私は……、いや 私達はそんな事でお前の事を嫌ったりしない。仲間の事を、そう思う様なヤツはこのギルドにはいないから」

 エルザはそうはっきりと、きっぱりと言っていた。
 皆にも聞こえる程の大きさの声。その声に、観戦をしていた皆、頷いて、そして笑っていた。 ギルドに
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