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竜から妖精へ………
第9話 ゼクト vs エルザ
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は続けて訊く。

「ほらっ、ゼクト……今日入ったばかりなのに、このギルドの事、フェアリーテイルの事が、好きっていってくれてる。大好き、って。……それに、ギルダーツは言ってたよな? ゼクトは、人付き合いが苦手って。……でも、そんなレベルじゃないって思う。さっきのだって、私の方が明らかに悪いのに、ああいう風に考えて、言うのって……。前によっぽど酷い事があったのかな…って」

 ミラは、純粋に彼を心配しているようだった。



 同じ歳で…何かを抱えているのか…。ものすごく大きな闇を……。そう感じたのだ。



 それに、友達になった時。ゼクトは凄く笑顔だった。勝負の時とは比べ物にならない程に。憑き物がが落ちたかの様に。

「……やさしいんだな? ミラは。流石お姉ちゃんだ」

 ギルダーツがそう言って、頭を撫でた。そして、その後に チラッと見たのは エルザとゼクトの戦いを観戦している2人の子供。ミラの妹と弟のリサーナとエルフマンだ。姉だからこそ、面倒を見なければいけない2人がいるからこそ、優しくなれるのだろう。

「もうっ! そんなのはいいから教えてよっ」

 ミラはちょっと照れながらそう言う。だけど、明確な答えは帰ってこなかった。

「わりーな。オレもアイツの考えはわかっても、今までの事は、以前までの事は 全く知らねえんだ。そもそも、オレだって会って、たった1日。昨日なんだぜ?」
「……そう」

 ミラは、少し残念な表情をした。もっと、ゼクトの事を知りたい、と思っていたから。直接訊くのが難しかったからこそ、ギルダーツに訊いたのだ。

「ミラ」

 ギルダーツは、ミラの頭を軽く撫でるとゆっくりとした口調で言う。



「……1つ、判る事。アイツから訊いたのは、過去の記憶がねぇ、って事だ」


 その言葉に戸惑いを隠せれないのはミラだ。 

「え…?」

 いきなりの事だったから、どう反応していいのか判らず、ただただ、驚きの表情でギルダーツを見ていた。

「……だけど、あんまし騒ぐなよ? アイツは今、()を向いて歩き出してんだからよ。だから……」

 ギルダーツは、頭から手をのけると、ミラの目を見ていった。

「お前が、……お前らが アイツの《何か》になってやれ。『昔の事なんてどうでもいい。今現在の方が大切だ』って言わせるくらい……にな? これだけ、好きだって面向かって言われてるんだ。答えてやろうぜ」
「う……うん!」

 ミラは元気良く……笑顔で返事をした。


 記憶がない。
 その事に衝撃を受けていた。何故なら、記憶が無い、と言う事は、今までの自分の記憶がない。仲間や家族、その記憶が無いのだ。


 だから、ずっと一人ぼっちだった。そう言う感じ
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