lost story2−『辿り着いた名も無き英雄』−
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──《彼》に終わりは無い。たとえ世界が滅ぼうと、《彼》が死す事は決して無い。
彼は魂を二つに分けた。
《彼》が《彼》で居るための魂。そして《彼》が《彼以外の存在》たる魂。
後者を《彼》は世界に切り離し、切り離された《彼》は今一度世界との鬼ごっこを再開する。
そうだね、永遠に苦しみ続けた、生き続けた《彼》が再び人類史に登場したのは……
大体、「9番目」の転生後じゃないかな』
──ま、この13週目の世界では、全ての《僕》は《僕》に統合されている。主に《12番目》のお陰だけれどね。
12の僕と言えど全てが僕。その経験は着実に僕に──僕という存在そのものに刻み込まれていった。
後は分かるね?ああ、その通り。
《核》がそろそろ対策を練ってきた。
《核》は自らの時間の概念を弄って、決して逆行を行えないようにした。それをされてしまえば、さすがの僕でも手の打ちようが無い。完敗さ。
ここまでくると最早執念だねぇ。《核》に人格を植え付けてくるなんて……
僕は全ての力を分割──これまで生きてきた記憶のターニングポイントを整理して、12の存在とした。
それぞれの《核》の力を弱めて、そのまま封じ込もうって寸法さ。
ま、結論から言えば失敗だ。当然と言えば当然だね、時を巻き戻すなんて馬鹿げた事でもないし、ただ分割された程度じゃあ直ぐに元通りだ。今では僕に半分以上の僕がが統一されている。残りの後半は今でも動いているけれど、それも時間の問題だろう。
統合されてしまった僕に、今や力を強めた核に逆らう権利は無い。この僕はもう、時が来れば全世界を滅ぼすだけの神となるだろう。
今の神々のような紛い物では無い。原初の神だ。
天地創造?そんな事は神の領域に指先すらも触れていない。
生命誕生?そんなもの無数に存在する原初の神々ならば、小石を拾うよりも簡単な事だ。
世界を廻し、世界を視る。
運命を与え、運命を奪う。
『世界そのもの』に『神々』は届かない。
残念ながら、世界に住まう存在である限り、この世界には逆らえない。
──例外は居るようだけれどね。
□ □ □ □
「れ、い外だと?」
「うん、そう。流石に『彼』を呼ぶのは世界としても阻止したいようだね。アレはこの世界にとってもイレギュラーな存在だ」
ルークやユキ、その他面々の戦の力となっているモノを一括りに纏めるならば、全てが『異能』というカテゴリに入るだろう。
時を止める。闇を物質化して創造する。言霊を操る。その他諸々、強力な異能者達が集められた。
「こんなゲームで言えば初期レベルが99
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