lost story2−『辿り着いた名も無き英雄』−
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の産物。
──《終末核》。名前くらいは聞いた事があるかな?確か前回の滅びはそれこそ僕が真の意味で生まれた時の数百億年前だから、実物を見るのは僕が初めてだろうけれど。
本来なら僕が世界を滅ぼして、世界を転生させる。これがセオリーだ。
けれども知っての通り、僕は大のシスコンだからね。フィアーネが生きるこの世界、滅ぼしてなるものか。僕は早々にこの力を封じ込めたよ。まあ力の余波か何かのお陰か多少特殊な力が使えるようになったけれど、まあそれはそれで良しだ。
けれども『神々』は狡猾だ。過去にもこういうことがあったんだろうね。この《核》に時限爆弾を仕掛けていた。
丁度今から31時間後と言ったところかな。そこから数えての12巡前のその時に、世界は転生する筈だった。
まあ勿論僕もやられっぱなしじゃあないさ。
自らの存在だけを一巡した世界へと転生させる事で、《核》のタイムリミットの初期化を繰り返した。繰り返していく内に《核》そのものを消去する方法でも見つからないかと思ったんだけれどね。
それで言えば《9番目》はいい線行ってたよ。
当人は自覚して無かっただろうけど、不老不死に成る事でそもそも《核》を存在意義を否定する。《核》に『世界の初期化』という役割がある以上、初期化が不可能な状態で『1回きり』の解放を行う事は出来ない。
ま、それも最後には諦められて暴発され掛けて、その時ようやく《核》に気付いた《9番目》が慌てて一巡したのさ。
うん?9番目が2番目の成れの果てとはどういう事かって?ああ、君は確か『作者』の操作から独立していたから、《物語の外側》についての知識はあるよね?
そう。この《ワールド・エゴ》って物語を綴る、忌々しい少年少女達の存在する『紛れもない現実』の世界。
その《物語》の中に、東方偽転生って二次創作があった訳だけれど、それこそが《2番目》のルーツだよ。
その物語のラストはこう。
『依り代を失い、幻想世界の存続は危うくなる。
しかし、その世界を愛した《彼》は薬を飲み、永遠の存在として依り代の枠へと降りる。
限りある命ならば、救いはあったろう。
けれども彼は、文字通り終わりのない茨の道を選んだ。
その世界を愛した故に。
その世界に恋した故に。』
簡単に要約するとこうなるのかな。
今は消えてしまった歴史、今後再臨する事もない歴史。けれど、その物語には続きがあった。
『その世界は、遂に《自然なる終わり》を迎えた。
知的生命体は穏やかに衰退し、滅亡し、皆が幸せに終わるハッピーエンド。
自然的に、健康的に、世界はやっと一巡し、新たな人類が生まれる。
では《彼》は?
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