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アインクラッド篇
movement U 絶望と希望の二重奏
星屑達の実力
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「じゃ、入るぜ。アラン?」

「問題ない。」

アランは星屑之歌唯一のタンク。それ故こういった場面では先陣切って突入し、初撃を受け止めることが多い。両手で持ったタワーシールドには大型の棘が幾つもあり、《盾殴打(シールドストライク)》スキルを使って殴るときに、刺突ダメージが追加される。固有名『ヘッジホッグ』。星屑之歌専属の、とある鍛冶屋作の逸品だ。

「3…2…1…ゴー!」

合図と共にまずアランが、続いて俺達と血盟騎士団のパーティーがボス部屋に入る。部屋の真ん中に一体のゴーレム。名前は《ドレイク ザ タイタニウムゴーレム》と読める。『チタンのゴーレムドレイク』、という意味だろうか?

「行くわよ、アランは敵の攻撃を防いで!リルはフォロー、アマギとマシラは両脇から攻撃!!弱点を探って!」

「「「了解!」」」

「………任せろ。」

やはり遅れるアランの返事を合図に素早く陣形を組む。そこに鈍い銀色のゴーレムが拳を振り下ろす。ガアァァァン!!と激しい音と火花が散る。

「おおりゃあぁぁぁぁ!!」

気持ちのいい気合いと共にマシラが突っ込む。両の拳を振りかぶり、目にも留まらぬ(俺は見えるが)連撃を叩き込む。ゴーレムの例に漏れず打撃に弱いのか、思ったよりHPが削れる。さらにマシラは、ゴーレムの体を駆け登り、頭の模様に蹴りを決めた。この軽業スキルと体術スキルを併用した戦闘スタイルを初見で見切ることは困難を極める。そんな彼を人は『山猿』と呼ぶ。

「うわっ!?」

しかし、ゴーレムも反撃を合わせる。着地と同時に放たれた拳はしかし、横合いから割って入った金髪の人影に阻まれる。左の盾で器用にいなされた拳は地面を叩き、そこを右の剣で攻撃される。

「はしゃぎすぎよ、マシラ。」

「姐さん、アザっス!」

妨害者はリル。白いワンピースの上から銀の軽装鎧というミスマッチな格好だが、彼女が着ると何故か似合う。手には金色がかった片手剣と、質素な木製の盾。それで攻撃を的確に捌き、ダメージを与えていく。彼女の二つ名、『金色の風』は、速さではなく、その捉えどころのないスタイルから献ぜられたものだ。

「リル、代われ。」

その一言で通じたようで、敵の一撃をソードスキルで弾き、後ろへ下がる。入れ代わった俺は片手半剣高位ソードスキル《スラストスターズ》、七連撃を発動。一気に一割近くHPを削り、ノックバックさせる。

「今よ、アラン!」

「………フッ……!」

短い気合いから放たれたのは《盾殴打》スキル、《プレッシャーシールド》。一撃でゴーレムを5mほど吹っ飛ばす。『鉄壁』のアラン、いざというとき頼れる男だ。

「スイッチ!」

それを合図に全員で退く。代わりに血盟騎士団のパーティーが前に出て、立ち上が
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