暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第十二話「氷の館の対決」
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

鍵の技法を手に入れたリュカ達は漸く雪の女王の城である氷の館へと辿り着き、今は閉ざされた扉の前に立っていた。

「じゃあリュカ、扉を開けてちょうだい」
「うん、“扉よ、開け”」

扉の錠に手を当て、そう念じると錠はカチリと音を立てて外れ、扉はゆっくりと開いて行く。

リュカ達は雪の女王との決戦の場へと一歩足を踏み入れ、扉を開いて館の中に入る。
すると其処は一面の氷の床で出来ていて、一歩進もうとするだけでツルツルと滑り、歩く事さえままならない。

何かを思い付いたのか、リュカは床に向けてバギを唱えると氷の床はたちまちひび割れて行き、歩く事に支障は無くなり、ザラザラになった氷の床を歩いて行く。
その間も魔物達は絶え間なく襲い掛かってくる。

「アルミラージ」の群れをリンクスが石の爪で切り裂いて倒して行き、空中を飛び回りながら飛びかかって来る「ドラキーマ」をリュカはバギで切り裂いて行く。

「カパーラナーガ」は“冷たい息”で攻撃をして来るが、ベラの閃熱呪文(ギラ)によって、まるで溶ける様に消えて行った。
ピエールとスラリンもヒー達と見事な連係プレイを見せ、次々と敵を倒して行く。
そんな中、ベラはふと疑問を感じた。

「ん〜〜、何か妙ね?」
「何が、ベラ?」
「この氷の館は雪の女王の居城、なのに何故此処まで魔物共が溢れかえってるのかしら。この内部の壮観さからしてどうにも腑に落ちないのよ」

リュカも言われてみればと思い、辺りを見回す。
丁度レヌール城がこんな感じだった、優雅さを思わせる城の中を魔物達が荒らし回っている様な。

「とにかく、先に進みましょう」
「うん」


魔物達と闘いながら先に進んでいると開けた部屋に出た。
部屋の中央にある豪華な椅子から此処が玉座の間だと言う事が分かり、さらに近づいて行くと其処に一人の少年が居た。
玉座の前に陣取り、こちらに気付くと斧を振りかざしながら威嚇して来た。

「お、お前はベラ!くそぉっ、春風のフルートを取り戻しに来たな」
「ザイル、もう止めなさい!これ以上はガイルさんを悲しませるだけよ、今ならまだポワン様も許して下さるわ。さあ、私達と帰りましょう」
「うるさい!黙れ黙れ黙れぇーーーっ!誰がお前達の言う事なんか聞くものかーーっ!」

ザイルは聞く耳持たないと喚きながら斬りかかって来た。

「くっ、この分からず屋!」

ザイルの攻撃をベラは樫の杖で受け止めながらかわして行くがその実力差は明らかでベラは徐々に追い詰められて行く。

「とりゃーーーっ!!」
「「「「やぁーーーーー」」」」

リュカとヒー達はそんなザイルに飛び掛かって行き、驚いたザイルも後ずさりベラから離れる。

「お前、悪い奴」
「お前、敵」
「お前、嫌い」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ