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大海原の魔女
十話 W島救援作戦!
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言う。「ウーゼドム島にその隣のヴォリン島、どちらも小さな島で 救援を送ってまで防衛する価値はあるの?」
 ユーも疑問を口にする。「それに…なんで、小さな村のはずのペーネミュンデに 向かってるのかな?島最大の港町で JG53も‘‘転進”してきたスヴィーネミュンデとか…周りに大きな町が ないわけじゃないのに…」
 …確か 前世の世界では ペーネミュンデには……




 …「エレン、着いたわよ。」マックスに肩を叩かれた。考え込んでいるうちに到着したようだ。



 埠頭からバスに乗せられて出発すると、そう時間もかからずに ある施設にたどり着く。
「ここは…何,ですか?」 ユーが呟く。


「ペーネミュンデ兵器実験場。陸軍と空軍が新兵器を研究・開発していた施設だ。」聞き覚えのある声に振り向く。 ユーの疑問に答えたのは・・・・・!




「スオムス以来だな、技術‘‘少尉”。」
「お久しぶりですね、ルーデル大尉。」 ハンナ・U・ルーデル…彼女はカールスラント国内外にその勇名を響かせる 最強クラスの地上攻撃魔女だ。


「あれから‘‘そこそこ”活躍したらしいな。」
「まあそうですね。おかげで 今では私も技術‘‘大尉”です。」
「ほう、二階級特進でもしたのか?」大尉はニヤリと笑う。
「まさか。ブリタニア海軍では少尉と中尉はSub-Lieutenantに纏められていて、だから少尉の一つ上がLieutenant(大尉)になるのですよ。
 それより 大尉たちも大活躍しているそうじゃないですか。毎日のように新聞や雑誌に名前が載っていますよ。」特に大尉には,『地上型ネウロイ最大の敵』『空飛ぶ魔王』『最強の地上攻撃女王』 などなど、すでに幾つもの異名がつけられている。

 そのように答え返すと、彼女は傷のある顔を僅かにしかめる。
「あれはプロパガンダに過ぎん。軍は宣伝省と組んで ウィッチの小さな戦果を大きく伝え、国民を安心させると同時に 魔力を持つ少女の志願を煽っている。
 実際のところ、オーデル・ナイセ川に防衛線を敷き,ネウロイの侵攻を食い止めることで精一杯。国家の危機だから仕方がないとはいえ、やっていることは詐欺と変わらん。」
「しかし貴女が活躍していることは嘘ではないはずです。そうでしょう,アーデルハイドさん?」大尉の副官に同意を求める。
「報告されていないものを含めると、むしろ戦果が増えますね。休日返上の出撃は当然で、負傷しているときでさえ,密かに出撃していますから。」
「それがなんだ?
 病室にいるとな、魔導エンジンが唸る音が聞こえるたびに、拳を耳につめこみたくなる。スツーカ隊は、今日も地獄で戦っている。そう思うと、のん気に寝ていることが口惜しくて、 気がつくとストライカーを履いているのだ。」

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