暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
キャリバー-Happy temperature-
第九十八話
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た。もちろんこの階段を抜けて《ヨツンヘイム》上空にたどり着いても、飛行手段がない以上あとは落下するしかないわけだが。

「キリトくん? もしトンキーをそんな風に使ったら、ほんっとに怒るんだからね!」

「ごめんごめん」

 しかし俺たちには《ヨツンヘイム》に住まう邪神の友人、このフィールドを我が物顔で飛行出来るトンキーがいる。友人を金儲けに利用されかねないリーファが警告すると、キリトも本気ではなかったのだろう、すぐに謝り返す。

「ボク、ヨツンヘイム行ったことなかったから楽しみだよ! レインは行ったことある?」

 最近は新アインクラッドを活動拠点にしていたからか、スリーピング・ナイツの面々は《ヨツンヘイム》には行ったことはないらしく。各々が期待に胸を躍らせていたが、特にユウキは《エクスキャリバー》入手クエストというよりは、《ヨツンヘイム》という場所にワクワクしていた。

「アイテム欲しくて潜ってたことあるよ。綺麗な場所なんだけど……ね」

「……リズ、潜るって」

「ずっとそこで戦ってた、みたいな意味よ」

 レインの言葉の意味が分からず隣のリズに聞いたが、あのヨツンヘイムでしばらく戦っていたということか。まだレインの腕前は未知数だが、それは随分と期待できそうで。キラリと柄に仕舞われた、レインの腰に提げられた『二刀』が光る。

「でもあんたも二刀流? 変わった使い方するのが三人もいるもんねぇ」

「だとよ元祖」

 ノリの的確な言葉に、キリトにルクス、レインの三人が苦笑いをしながら顔を見合わせる。その中でもルクスの二刀流はキリトの自己流コピーと呼べるものであり、クラインのヤジの通りに元祖と言えなくもない。

「…………」

 二刀流メンバーへの質問攻めに会話の流れが変わり、改めてメンバーを見てみると。大量のメンバーだからこそ、このALOにいる種族のほとんどが揃っていた。このALOにおける大抵の場合は、戦闘に不向きと言われるレプラコーンがいなかったりがほとんどだが、ここにいないのは……

「プーカ、か……」

 音楽妖精《プーカ》。専用スキルの呪歌や楽器の扱いに定評がある種族だが、俺たちにゲーム内で披露するほど音楽の心得がある者はおらず。……アスナ辺りは出来そうだが。

 もちろんALOという世界全体で見てもそう多くはなく、あまり我らが鍛冶屋にも来る客でもない――いや、つい最近、一人のプーカが来ていたか。

 歌姫と科学者という二つの顔を持つ天才少女、セブン。何故彼女がALOに来ていたかは分からないが、また何かが起きるような予感がして――

「着いたー!」

 先頭を歩いていたユウキの声で考えを中断し、さっと思考が現実へと引き戻されていく。微妙に長い階段を下り終えると、そこに
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