第十三話
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呆れつつも笑顔で無事に戻ってこいと言う意思表所を出して小室と宮本に言った。
「冴子おねえちゃん……すごい」
ん。ありすちゃんが何がすごいんだ……え?
「さ、冴子さん」
「おお!」
毒島……お前な。いつも狙って登場してないか?動きや易くするために、スカートに切れ目を入れて、足にはプロテクターを装備している。その他にも高城の親父さんから譲り受けた日本刀に、スカートに切れ目を入れたところの腿に、俺が渡した投げナイフのクナイを入れてあるホルダーを装備している。
率直に言うとエロいな。それを示すように男性陣も表情を赤くしているしな。
「なんてーの、その……狙ってない?いつも?」
気持ちは分からなくもないぞ宮本。だけど、毒島の場合は狙ってやるって言うよりは、動きやすいからあのような格好しているだけだからな。まあ所謂、天然というわけだが、狙ってやってないぶん質が悪いわな。いろんな意味で……。
何ともいえない空気になったが、宮本の表情は突然と険しくなった。装備していたモスバーグM590を抱えて走り出した。この突然の事態に、小室も驚きが隠せなかったが、その理由は直ぐに判明した。
「随分とご立派じゃない。紫藤せ・ん・せ・い」
そこには、紫藤がいた。どうやら避難する場所を求めてさまよっていたようでここに来たようだ。宮本が怒りを露わにする理由も分からなくもない。宮本や平野から聞いた話では、アイツは表面上は、確かに模倣的な先生を演じてはいるが、それは自分に取ってプラスとなる生徒に対してだ。
所謂、平野のようにクラスに溶け込めない生徒に対しては紫藤の対応はあまりにもお粗末で、逆にいじめていた生徒に対して褒めるように対応している。強者の生徒に味方して、自分の立場を強固にするあたりで、紫藤は味方も多かったが、逆に言えば敵も多く作るタイプの先生という事だ。
それでも自分に歯向かう事を許さないように、立場を強固にするあたりは、露骨なまでに鼻がきく教師というわけだ。
そして紫藤に銃剣を突き付けて宮本は語る。自分が留年した理由は紫藤によって操作されたものだと。操作された理由は、宮本の親父さんは、紫藤の親父を調査していた。紫藤の親父は政治家であり、政治家にとって表ざたに出来ない資金の出どころを探られていたので、その報復措置で宮本を留年させられたのだ。
その理由を知っている宮本の親父さんは娘である宮本に泣いて謝ったそうだ。どんなことにも動じない尊敬できる父を苦しめた事を許さないと。
「さ、殺人を犯すつもりですか?警察官の娘でありながら、犯罪者になるつもりですか」
「あんたになんか……言われたくないわよ!!」
だろうな。こいつにとっては父親の言われた通りに仕事をこなしただけに過ぎない感覚だろう
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