暁 〜小説投稿サイト〜
どうやら俺は主人公を殺したらしい
七話、エクスカリバァァァァァァ!!!
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見れば、誰だって分かる。出血のない不気味な胸から、生える細い腕。
 それを辿るように、後ろを振り向けば、黒髪ロング幼女が、無機質な表情で黙々とその腕を引き抜く。

 ――グチュッ。

 抜かれた場所は、黒い空洞だけが残り、デクタは、糸が途切れたマリオネットのように倒れる。

「本体は、どこ?」
「えへへ………何のこと……ですかね」

 “本体”、という言葉は、何を指しているのか。
 デクタは、知っている。だから内心焦っている。
 まだバレてはならない。自分の役目を終えるまで時間が足りないのは、目に見えている。
 せめて、内心の動揺を押し隠すこと、時間の引き伸ばすほかなかった。

 ――もうすぐだ。

 脳内から響くそれを安寧の思いで受け取る。そして笑った。

「デクタ・テイン……本体は近くにいる………どこ?」

 再度同じ質問をデクタを踏みつけながら問う。

「ぐっ………幼女に踏まれるなんて紳士の俺は大歓喜だね」

 ――準備完了だ。

「でも………そんな喜びもここまでだな」
「? 意味が解らない………ん………」

 オーフィスは気づいた。上空から膨大なエネルギーを。そして隠しきれない聖なるオーラを。

 オーフィスは、そのオーラの先にあるものを黒い瞳に映す。
 そこに映し出されていたものは、金色の長々とした髪を揺らし、蒼いドレスとその上から銀の甲冑を纏う姿。

「見つけた」

 だがもう遅い。

 ――――エクスッカリバーアアアアアアッ!!!

 黄金の剣は振り下ろされた。
 光の柱が、この街を埋め尽くした。


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