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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第十話「ガイルと鍵の技法」
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妖精界に人間の子供がおるんじゃ?」
「ああ、この子はサンタローズのリュカ。春を呼び戻す手助けをしてもらうために来てもらったの。子供だけどかなりの力を持っているわ」
「ほう、そうか。…ならば」
ガイルはリュカに近づき、その肩に手を置くと申し訳なさそうに語り掛ける。
ガイルは言う、かつて自分は簡単な構造の鍵ならば直ぐに開けてしまう「鍵の技法」を編み出してしまった事を。
その事が厳格な性格だった先代の長の怒りに触れ、村を追放されてしまいこの洞窟に隠れ住む様になってしまった。
初めの内は先代への恨み事を言いながら過ごしていたが、じきに自分が編み出した鍵の技法の危険性に気付き、その怒りを収めて行った。
だが、祖父思いだった孫のザイルはその怒りを受け継いだまま育ち、今回の暴挙に出たという訳らしい。
「ザイルは一度此処に戻って来てワシに言いおった。『雪の女王の手助けで春風のフルートを盗み出せた。これであの村にひと泡吹かせられる』と。あの子は利用されておるだけなんじゃ、それがどの様な結果を招く事になるか気付きもせずに。じゃから頼む!あの子の目を覚まさせてやってくれ、あの子を助けてやってくれ!…お願いじゃ」
ガイルは涙ながらにリュカに頼む、そしてリュカは当然笑顔で頷きながらその願いを受け入れる。
「任せといて、おじいちゃん!僕とベラ、そしてリンクス達とでザイルを連れ戻して来てあげる」
「その意気よ、リュカ。ガイルさん、その為にも鍵の技法を私達に教えて」
「うむ、鍵の技法は悪用されぬ為に宝玉に込めて洞窟の奥に隠しておる。ワシは最近体の調子を壊しておるのでな、悪いが捜しに行っては貰えぬか」
「了解、じゃあリュカ、行きましょう」
「うん!行こう、リンクス、ピエール、スラリン」
「ガウッ!」
「ピイッ!」
「頑張ろう!」
―◇◆◇―
鍵の技法を手に入れる為に洞窟の中を進むリュカ達、魔物達はそんな彼らを引っ切り無しに襲って来る。
「スカンカー」が巻き上げる砂煙に視界を奪われるがリュカが放つバギによって砂煙は晴れ、その体はリンクス達に切り裂かれる。
メラを使って来る羽根と角を持つトカゲ型の魔物「メラリザード」
サンタローズの洞窟にも居たとげぼうずがより強くなった「スピニー」
赤い外皮に覆われた巨大な芋虫「ラーバキング」
中々の強敵ぞろいだったが、全員の協力プレイで危なげなく倒して行く。
そんな中、ベラは補助魔法で手助けをしたり、樫の杖でリュカに襲い掛かる敵を撃退したりしていた。
そして、それを羨ましげに見ているのがピエール。
自分もあの様に闘えたら、自分にも手足が有ったら。
もっと、もっと、リュカの役に立てるのに。
彼は、そう強く願った。
そして辿り着いた洞窟の際奥、其処に在った階
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