Chapter T:to the beginning
第03話:ネメアの獅子
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ゴライアスをトバルカインとしてから2時間。シュライバーの速さを以て最速で下層への縦穴を探し、ベイの力を以てモンスターを瞬殺し、そしてエレオノーレとルサルカ、そしてリザの操るトバルカインによってベイが取りこぼした分を処理していく。ラインハルトはただ悠々と彼らの空けた道を進んでいく。たったそれだけの、至ってシンプルな方法によって破竹の勢いでダンジョンを攻略していく彼らは既に50層の安全地帯すら突破し、そしてオッタルが到達していた56層すら易々と踏み越え、今や80階層に到達していた。
無論、敵がいなかった訳では無い。50層前ではミノタウロス数百匹の群れに遭遇し、60層を突破してからは溶解液を持つワームや暗闇から襲いかかって来るガーゴイルにリザードマン、70層に至ってはレベル4相当のサラマンダーやオーガを筆頭にモンスターの群れが蔓延る正に魔窟だった。しかし、それでも彼らには雑魚でしか無くシュライバーが通りすぎた際の衝撃波で吹き飛ばされ、ベイに嬉々として撲殺され、カインの試運転に使われ、エレオノーレに焼かれ、ルサルカの拷問道具によってストレス発散に使われた。
更に、数体の階層主も時間短縮という名目のもとで使われた彼らの『創造』位階の前では只の雑魚だった。レベル7相当の階層主もゴライアスと戦ったベイに当てられたエレオノーレの『創造』によって一瞬にして消し炭になってしまったのだ。階層主クラスの巨大な魔石を回収できなくなった事をエレオノーレはラインハルトに誠心誠意謝罪しようとしたが、ラインハルトは"いつでも倒せるのだから気にするな"、とすら言う始末。最早"敵"とすら見られていない。そして、明らかに今日の稼ぎだけでオラリオで一年は遊んで暮らせるであろう程度には彼らは魔石を回収で来ていた。
そして、先程第85階層から縦穴を使って第89階層まで降りてきた彼らは、90層前の最後の階層主との戦いを始めようとしていた―――
???
「ふむ、漸く89層か。そろそろ階層主がいてもおかしくないな。」
「ハイドリヒ卿。その時は是非とも俺にやらせてくださいよ」
「ベイ、貴様はさっき階層主の相手をしていただろう。次は私だ。」
「うーん、僕もそろそろ参加しようかなぁ」
「あァ、手前はすっこんでろシュライバー!」
「うるさいなぁ、何ならお前で準備運動殺っちゃってもいいんだよ?」
「上等だオラァッ!!」
「相変わらず皆元気ねぇ」
「いや、そんな事言ってる場合じゃないでしょ」
仲間内で決闘に発展しそうな言い合いをリザがまるで青春の一ページを見るかのように微笑ましく眺め、それにルサルカが呆れ顔でツッコミを入れる。
「それにしても、ミノタウロスにガーゴイル、リザードマンにドラゴン。まるで御伽話の世界ね。」
「それ、|永劫破壊《エイヴィヒ
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