第一話 拓海
前書き [1]後書き [2]次話
・・・れ・・・はれ・・きっ・とはれるぅ明日もはれぇるぅ♪
「・・・ああ。しまった。テレビ消し忘れてたっけ・・・」
西野 拓海はうっかりした。拓海の部屋にはベッドがあるのにもかかわらず、床で寝ていたようだ。
「!? もう学校の時間すぎてるじゃん!」
テレビ画面には8時25分と刻まれていた。拓海の学校の登校時刻は8時20分である。しかも拓海の家から学校までは30分はかかる。
「はぁ〜」
取り敢えずテレビを消してから着替える。拓海の制服は自分の部屋から少し出たところにかけてある。
「美穂に見つからないように・・・っと」
姉の美穂は拓海と比べるとしっかりしている。登校時刻は拓海より遅いのでまだ家にいるが、いつも6時ぐらいには起きている。学校ではおとなしい生徒会長らしいのだが、どうして会長になれたのかわからないぐらい拓海にはうるさい。拓海はそんな姉が少し苦手なのだ。
着替え終わると拓海は、玄関までダッシュする。
すると案の定、リビングからドアの開く音がする。美穂のおでましだ。
「あれ、拓海。まだ家にいたんだ?」
分かっていたくせに妙に明るくふるまってくる。
「うん。まあ。ね。」
拓海も自然に振舞ったつもりだ。
「いってらっしゃい」
いつもの美穂じゃない。明らかに昨日までとは違う。そんなことは中学2年の拓海でもわかった。
何か怖くなってきたのですぐ靴を履いて「いってきます!!」と叫びつつ家の扉を閉めた。
前書き [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ