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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第六話「廃城の戦い」
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『ひひひひひひ、どうやら腹ペコの様だな。ならば食事に御招待するとしよう』
「う…、い、いらないよっ!」
「そうよ、誰がアンタ達になんか御馳走になるもんですか!」
『何か勘違いしてる様だな。…食事になるのは、お前達だよ』
親分ゴーストはそう言い放ち、コンコンと足で床を鳴らすと二人の足元の床が抜け、そのまま下へと落ちて行った。
「うわーーーっ!」
「きゃあぁーーっ!」
ベチャッ!!
「な、何だ?ベチャベチャする所に落ちた……くっさい〜〜!」
「何よこれ!? お肉に魚に野菜、みんな腐ってるじゃない!」
魔物は大抵が雑食であり、何でも食べる。
だが邪悪な意思に目覚め、知恵を付けた魔物は何故か腐った物を好んで食べる傾向がある。
『何だ?何か落ちて来たぞ』
『こりゃあ、何とも旨そうなガキ共じゃないか』
『へへへへ、丁度腐肉の汁がミックスされて味付けも完璧だな』
『さあ、お前達は踊れ踊れ!もっと俺様達を楽しませるんだ!』
『そんな、あんなに小さな子供達を食べるなんて…』
『嫌だ!これ以上お前達の為になんて踊りたくない!』
『もういい加減、儂らを安らかな眠りに戻してくれぇ』
食卓を囲む魔物の周りにはおそらくはこの城に仕えていたであろう者達の幽霊が強引に踊らされていた。
その皆が悲壮な表情をしており、若い女性や男性だけでは無く年老いた老人の幽霊もいて、涙を流しながらもその踊りは止まる事は無かった。
『ひゃはははっ!さて、お前達も美味しく頂いた後はこいつ等と一緒に踊りに加わってもらうぞ』
魔物達は舌舐めずりをしながら二人にそう言うが、リュカとビアンカは脅えるどころか逆にその目には怒りの炎が灯っていく。
「リュカ、行くわよ」
「うん。くさがってる場合じゃないよね。僕も頭に来たよ!」
剣を振り回しながら近づいて来る「オバケキャンドル」
怪しい炎に包まれている「ナイトウイプス」
襲いかかって来る魔物達にリュカは渾身の勢いでブーメランを投げ付ける。
数体はそのまま両断され、何とかかわした数体も腕や、体の一部を失っていて続けてリュカが唱えた“バギ”によって切り裂かれていく。
「ゴースト」や「スカルサーペント」はビアンカに襲い掛かるが、ビアンカは覚えたての“マヌーサ”をさっそく唱えてみる。
霧に包まれた魔物達はその目も虚ろになり、同志討ちを始めた。
ビアンカはそんな魔物達に“メラ”を放つと魔物達は炎に包まれ灰になっていく。
残った魔物も既に息は絶え絶えで、茨の鞭の前に倒されていく。
『おお、やっと踊りが止まった』
『体の自由が戻って来たぞ!』
場の魔物達が一掃された為か、踊り続けさせられていた幽霊達はようやく体の自由を取り戻す事が出来た。
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