第十一話
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て、自分達の戦える武器は所持しておきたい。
俺が考え事をして視線をを下に向けていた為に、突然の威厳のある声を聞いて驚いた。
「少年達。名を聞こう!私は高城壮一郎!!憂国一心会の会長である!!」
高城の親父さんだ。その声は覇気があり、突然の事態に思わず俺は驚いてしまったのだ。平野に関しては、見事なまでの敬礼だ。
「平野コータ!藤美学園2年B組、出席番号32番です!!」
「同じく藤美学園の3年C組の田中一郎です」
高城の親父さんの視線が俺達を捕らえる。あまりの鋭い視線に、日本刀を喉元に突き付けられている感覚だ。
「声に覇気があるな。ここまでたどりつくまでに、さぞ苦労したことだろう……だが!!」
更に視線が鋭くなる。前世の経験でやくざよりたちの悪い恐喝をかけてきた取引先とも相手した俺だが、そんな経験もあり、余程の視線でもなければビビらないと思ったが、この人は次元が違う!
「君達は人を殺めたな」
「「!?」」
高城の親父さんの言葉に俺は動揺が走る。平野も同様に、驚きの表情が隠せないでいる。一目みただけで、俺達が生きた人間を殺した事を理解している。本当に何者なんだよ、この人は……。
「私はそれを責めない。今の情勢は弱肉強食!欲におぼれ、それを満たすために君達に刃を向ける輩が現れても不思議はない。身を守り、仲間を救う為に武器を取り、戦う事は立派な行為だ!!」
ここまで断言できる『大人』は、どれだけいるんだろうか?この時代の日本は良くも悪くも『大人』は、上っ面の正義だけを掲げるものが殆どだ。身を守る為に戦っても「何故、もっと平和的に解決できなかった」という批判するのも当たり前だ。そして政治家もこれを支持する。それが自分の立場を強固にするための必要な行為だからだ。本音を言えば、俺達の行動も仕方ないと割り切る事も出来る。だけど、建前だけで言う『大人』には、それが通用しない。
ここまで自分の意見を述べて、それを実行に移す『大人』に俺は初めて出会った。この人は、生まれた時代さえ間違えなければ、確実に日本を動かす程の大物になったと断言できる程の存在感を示している。
ーーー。
その後に、小室達が騒ぎを駆けつけてきた。騒ぎの原因を知らない小室達に俺は説明する。
「どうする。ここの人達はとにかく武器を提供しろって言っているんですけど。」
「う〜ん。あんまり銃を沢山あっても全部を使いきれるわけでもないですから、行動する範囲で邪魔にならない程度に武器があれば良いと思いますよ」
「そうね。銃に精通している面子は軍オタ1号2号しか居ないわ。使えない武器を大量に所持しても動くのに邪魔よ」
「予備に一つか二つほどあれば、十分だと思うな」
様々な意見
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