第3章 黄昏のノクターン 2022/12
35話 陰と闇の狂騒曲
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「……まさか、人族如きにこれほど踏み込まれようとはな」
「来客を望まないのであれば、玄関に鍵でも掛けることだ。番犬を飼ってみるのも妙案かも知れない」
「なるほど、洒落は嗜めるようだ。その胆力に免じて、忠告を心に刻んでおこう」
「私も君達のユーモアには驚愕を禁じ得ないと思っていたところだよ……ロービアの民の苦しみが、その対価が、こんな粗末な代物になろうとは………フォールンエルフというものは、中々に洒落の利いた種族のようだな」
粗末な代物という言葉を耳にして、奥に控える巨躯のフォールンエルフが怒りを露にするも、舌戦を交える両雄には届かない。ただの会話に見えるそれにも、鋭い殺気が込められているように思えるのは俺だけだろうか。
「しかし、此処を見られてはこのまま生かして返すことも罷りならない」
「生憎、我々もシマを荒らされて大人しくしていては立場も無いのでね」
一拍の間を置き、そして……
「……ここで死ね!」
「くたばりな……!」
コルネリオの縮地からの斬撃を、将軍が凌ぐ。鋭くも澄み渡る剣戟の快音を皮切りに、両者のレイドが動き出し、そこかしこで乱戦が繰り広げられる。
……今ここに、人族とフォールンエルフの戦争が開戦されたのであった。
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