第12話 武神VS冬木の虎
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らのう」
耳に胼胝ができる位聞かされたわいと嘆息する鉄心に、そんな雷画を容易に想像できる大河は思わず苦笑する。
「彼は投擲術に弓術、射撃系の才に関してはモモでも追いつけるか判らないほどに絶大じゃが、その代わり武器を持とうが持つまいが接近戦については才能は無いらしい」
「その分と言うワケでは無いですけど。士郎の体はとんでもなく無理無茶が利く素材の様で、才ある武人でも体が壊れるんじゃないかと言う独自の鍛錬方法で、地力を何所までも愚直なまでに鍛えていますから、基礎攻撃力・防御力は百代ちゃんを確実に上回ってると思うわよ」
鉄心の説明を大河が受け継いで話した。
「確実とは言うけど、その根拠は何かナ?」
百代の強さを十分知っているルーとしては、信じられない思いと興味心が混ざり合っていたので聞いたのだった。
決して嫌味などは無い。と言うか、彼には嫌味など言えるのかも疑問だ。
「私の気を込めた全身全霊の斬撃を、士郎は片腕だけで受け止めたんですよ!しかも無傷で。将来のなら兎も角、現時点での百代ちゃんにそんなこと出来る?」
「・・・多分無理ですね。――――衛宮が強いとは少し前から解って来たばかりでしたが、まさかそこまでの強さを持っているとは・・・・・・!」
大河からの言葉を受けて、百代の中で士郎がロックオンされた瞬間だった。
その証拠に時間も考えずに再び戦意が高揚しているのは、周りの4人からしても明らかだった。
「けどね、百代ちゃんも知っての通り。士郎は女の子に攻撃することを良しとする性格じゃないから、説得は現時点で厳しい――――いやー、無理ね」
「そうだった!・・・クッ」
大河の言葉に今思い出したと言わんばかりに、百代は露骨に悔しそうに唇を噛む。
当然だろう。全力を出してはしゃげそうな強敵が違う街違うクラスとは言え、それほど遠くない場所に居るのに手が出せないのだ。
手が出せない理由はあるが、百代の場合自業自得によりそれを複数にして自爆状態となっていた。
「私も一応説得してみるけど、期待しないでね?多分――――いや、絶対無理だから!」
「はい・・・」
大河の断言ぶりに、百代は意気消沈させながら肩を落とした。
そのまま他に少し話をしてから、大河は川神院を後にした。
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