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アインクラッド篇
movement T 白き夜のクリスマスソング
背教者ニコラス
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十二月二十四日午後十一時五十分

三十五層サブダンジョン「迷いの森」
一分ごとにブロックが入れ代わる厄介なダンジョンだ。

「本当にここなの?」

「ああ、間違いない。ボスが出てくる様なモミの木はこれしかなかった。」

その一角、一本の巨木がそびえるだけのエリア。モンスターも湧かず、かといって何かイベントがある訳でもない。十人中十人が素通りする様な場所だ。しかしーーー

「このアインクラッド、スギの木は中々多いんだけどモミの木は少ねーんだよ。ボスが出るような目立つのは皆無。あとは三層とか二十二層とかそういう森ばっかのとこだけ。だから間違いない。」

「だといいんだけど………。前例があるからねぇ。」

ソラのその言葉にギクリとする。四十八層攻略時に、道を間違えてトラップ部屋に踏み込んだことは、まだ記憶に新しい。
そうこうしているうちに、もう零時まであと五分だ。

「っと、来たな。」

エリア境界の転移ゲートから人影が現れる。そこにいたのは紛れもない『黒の剣士』キリトだった。どうやら向こうもこちらに気付いたらしい。やや困惑しているのが見てとれる。

「お前ら………どうして?」

「言ったろ?死ねると思うなって。全力でサポートしてやる。」

「まあ、そういう事よ。こうなったアマギはかなりしつこいから大人しく従ったら?」

「ソラさん?そんな言い方しなくても………。」

「事実じゃない。」

「さいですか……ハァ。」

若干肩を落とす。しかしキリトはそんな事気にする様子はない。

「お前らには無関係だ。退いてろ。」

「えー、だってボスに興味あるし。てかそのボーナスに。」

その言葉でキリトの表情が変わった。そのボーナスのためにここまで来たのだ。見過ごせない発言だったのだろう。

「キリトさん、死んだ人に生き返って欲しいのは、なにも貴方だけじゃないのよ。」

「………ああ。だが、譲るつもりはない。邪魔する様ならお前達でも…。」

「って言ってる暇もないみたいだぜ?」

いつの間にか、時刻は零時を迎えていた。遠い向こうに見える満月に黒い影が見える。どうやらソリのようだ。

「蘇生アイテムはくれてやるさ。ただし、死ぬな。」

それだけ言って抜剣する。と、視界の端に何かが舞った。

「………雪か。」

どうやら昨年に引き続き今年もホワイトクリスマスのようだ。もっとも、それを楽しむ余裕など無いが。

「………今更だけど、この人数でも勝てるの?」

「さぁ?」

「さぁ、って……もう遅いか。」

モミの木の上空で止まった空飛ぶソリから、モンスターが飛び降りる。斧と頭陀袋を担いだそれは、怪物がサンタのコスプレしている、といった風な外観だった。モンスター
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