暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
温もり
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だからこそ、あの2人なら大丈夫だと思うんだ。
――……そう、思いたいんだ。
――そして、小屋の前で2人きりになっていた修平と琴美を冷たく見つめる双眸が1つ――
「あぁ……、修平様。どうしてそのような女狐に愛しげな視線をむけていらっしゃるのですか……。私が、あなたのメイドがここにいると言うのに……」
赤く、そして黒い炎を内に秘めた瞳だった。或いは、狂気か。
「……ですが、修平様の身に危険が訪れた時は、その時は、私が必ず……!!」
――…そう、それは、あの本に描かれていた、出会いの場面の様に。
深い闇に身を潜めながら、粕谷瞳は、誰に気づかれる事も無く、ただじっとその時を待ちわびていた。強大で、巨大な悪を、理想のご主人様と共に叩き潰すその時を夢見て。
《粕谷瞳》は、その内に秘めた狂気の刃を今も研ぎ続けていた。
――一方その頃、フィールドの北東にある山小屋では――
《三ツ林司》が小窓から夜の森を見つめながら、今日一日で起きた出来事の整理と分析を終え、今後の算段を立てていた。
「最も注意すべきプレイヤーは、日影先輩。……そして、次点に藤田先輩と藤堂先輩かな。……藤堂先輩の方は、頭は良くなさそうだったけど、怪しい所だらけだし。もっとも、まだ出会ってないプレイヤーの中にも、危険な人がいるんだろうけど……」
このゲームは、この世のあらゆる快楽を享受した連中の欲求を満たす為に作られた、悪趣味なエンターテイメントだと、推察していた。そして、それは恐らく間違いは無い。だとすれば、プレイヤー同士が殺し合いをするような仕組みがいくつも仕込まれているに違いない。
だからこそ、司は山小屋の周囲に張り巡らされていた罠を修理し、武器も手に入れたのだ。
「一番の問題は、僕自身が身体を動かすのが得意じゃないって事、かな……、ま、その分頭を使うつもりだけど」
だが、本音を言えば、実際に戦闘が起きた場合に、動ける人間が、仲間として欲しかったのは事実。……あまりに未知数な人物がいるからだ。頭脳にしても、身体能力にしても。
そして、まだ見ぬプレイヤーに好戦的な者がいないとも限らないのだ。
「穏便に済めばそれが一番なんですが……、≪ゲーム≫である以上は不可能に近いですよね」
司はそうため息を付くと、寝床の準備を始めていた。
――そして、また別のエリアで、森を彷徨う少女が1人――
「うぅ……刀、刀が欲しいです。……それに、お腹も空きました。……こんな事では、彰の仇を討つ事など……。う、うぅ……」
《蒔岡玲》は、空腹に呻きながら周囲の
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