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クラディールに憑依しました 外伝
回り込まれました
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級と一メートルのウォータードリッパーが複数設置されていた。


「ん? どうした? 此処は正真正銘、君が買った物件で間違いないぞ?」


 硬直している俺たちに白いメイドが話しかけてくる…………って良く見れば、その顔と声には見覚え聞き覚えがあった。

 色々と推測は思い付くが、直接聞いた方が早いな。


「何故此処に居る?」

「前々から準備をしていたからだ」

「何時から此処に居る?」

「こっちに来たのは今朝の事だよ、ボス討伐お疲れ様、アレだけの人数が居るんだ、もう少し何とかならないものか?」

「あいつらも命が掛かっているからな」

「…………すまない、文句のひとつでも言ってみたかっただけだ」

「待ってられなかったのか?」

「本当にすまない。押さえ切れなかったんだ」


 白いメイドはそのまま俯き妙な沈黙が店の中を支配した。


「あ、あの、クラディールさん? その人は?」


 シリカがもっともな疑問を口にする。


「あー、コイツは、何と言ったらいいかな」

「わたしは君たちの言うNPCという存在だ、とあるクエストでわたしたちの家族はクラディールに助けられた。

 わたしも妹も元気になり、父も母も幸せに過ごしている。わたしはその恩返しをしに此処に来たんだ」


 そう言って白いメイドは俺の左腕にしがみ付き頭を摺り寄せる。


「もう、この位置は誰にも渡さないぞ――――そう。君たちにもな」


 ニヤリと妖艶に微笑んだのだろう、シリカとリズの表情に戦慄が走った。


「ちょ、ちょっと待ってください!? NPC!? 思いっきりプレイヤーじゃないですか!?

 普通ならNPCに振れると『NPCへの不適切な接触』って表示が出るのに、完全に抱き着いてるじゃないですか!!」

「わたしは特別製なんだ」

「絶対嘘ですよねそれ!? 離れてください!!」


 何故かシリカが涙目になりながら白いメイドを俺から引き剥がそうとする。


「おいおい、そんなに強く引っ張るな、警告が出るぞ?」

「出ません! アルゴさんとどの程度で警告が出るか検証したんです! この程度の接触じゃ…………」


 ぺコン!


 シリカに警告が出た。

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