新たな家を買いました
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い?」
次の第四十八層リンダースはリズが一目惚れした水車小屋がリズベット武具店になるんだよな、確か南区のどこかだった筈。
「まぁ、特に急ぎの用事もないし、適当に回ってみるか」
報告会の準備をしている集団の向こうにアスナとシリカを見つけ、俺の視線に向こうも気付いた。
俺は横に居るリズの肩に手を乗せ、人差し指を立てて上の方へあげるジェスチャーを伝える。
それで意思は伝わったらしく、アスナとシリカは同時に小さく頷いた。
「よし、行こうか」
アスナとシリカから視線を外してリズを見ると、リズは笑顔で二人に手を振っていた。
「うん」
ボス部屋の奥を見渡し、上へ続く階段の位置を確認する。
ふと、前の階層で放心状態だったリズを思い出し、左手をリズの前に出して手の平で合図を送る。
『手、繋ぐぞ』
俺の合図を見て、一瞬リズが硬直し、俺の顔を見た後、視線を手に戻して右手を預けてきた。
リズの手の平を握り、ゆっくりと方向を変えて歩き出す。
少し引っ張られる形でリズも歩き出した。
――――周りの攻略組の連中から何か冷やかしの声が飛ばされてるが、振り返ったらリズが居なくなっている方が面倒だ。
階段を上り、南に見えた街に入る。名前はリンダース、原作どおりだな。
街の至る所に小さな川とそれを利用した水車が見受けられる。
「想像してたよりも良い街だね」
「あぁ、俺も此処に拠点を作るかな」
「第一層の倉庫はどうするの?」
「向こうも継続だな、どうだ? 広い建物を買い取ってドロップの在庫を一斉処分でもするか?」
「確かに、今じゃ第四倉庫までドロップの山だからね、まとめて処分しないと大変だわ」
俺達のパーティーでは分け前をこっちのお金『コル』にするが、俺やリズは現物でドロップをそのまま引き取っている。
大体の理由が装備の強化や大量生産と大量消費する俺の剣の使い方のせいなのだが、リズには世話になりっぱなしだ。
「――――けどね、あたしの最初のお店はそれなりに小さくて、あたしの家って感じの奴にしたいの」
「そっか、こだわりがあるんなら仕方ないな」
「うん、仕方ない」
「んじゃ、俺はあの家にするかね?」
俺が指を指した家は水車が二基も稼動してそれなりにデカイ家だった。
「こ、これ? お金は大丈夫なの?」
「俺の懐事情はお前が一番把握してるだろ、余裕とまでは行かないが何とかなるレベルだな」
「でも、この家に見合う家具とか揃えたら全然足りないわよ?」
「まぁ、その辺りは追々だな、さて、さっさと買っちまおう」
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