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黒を纏う聖堂騎士団員
11.マイエラ修道院院長候補
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ひどく冷たい雨が降ります。
これはオディロ院長がクロノスを拾ったときと同じ雨です。
あの日、もしもオディロ院長が拾わなければ呆気なく死んでいたでしょう。

雨は長くは降らず、すぐにやみました。
そのあとに現れた太陽が暖かく、クロノスには心地よかったことでしょう。
雨で体温をとられては人は脆く死ぬだけ。
それでも能天気なアホはいますが。

「オレと暖まろうか」

「メラゾーマ」

灰になった元赤い生命体をクロノスは踏みつけました。
大丈夫です。安心してください。
神経はないので痛くはありません。
踏まれていることすら分かりません。

クロノスは仕方なくザオラルを一回だけかけました。
それで戻らなければ、放置したかったのですが復活したククールは、気をとりなおしてスマイルで迎えます。
なんだかこちらが悪人に見えてきます。
ただメラゾーマを放っただけなのに。

二人はこの一ヶ月の間、マルチェロを探しに旅に出てます。
不思議なことにククールはマイエラ修道院の院長候補に上がっており、マイエラ修道院に戻った際は煩かったです。

マルチェロを院長にしたマイエラ修道院は、次に赤い生命体ククールを院長にしたいようです。
マルチェロは賄賂や殺人などをうまく使いこなす人でしょうが、ククールがお金のやりくりなんて無理でしょうね。

マイエラ修道院にステーキを出したマルチェロの後をククールだなんて・・・

「女の子が悲しむから無理だな〜
そんな罪人は神にはいらないから」

「・・・確かに罪人だ。島流しがいいかな」

ククールは広い心で受け流しました。
気にしない大物感だけは感心します。
それ以外に何が出来るのか、クロノスには見当もつきません。

「ならクロノスが院長に」

なるわけありません。
もし女だとばれたら、飢えた男の餌食になり、あられもない姿に早変わりに。
それはククールが妄想だけに終わらせました。
マルチェロがいたらクロノスは男として差別なく働かされ、労働が大変だったでしょう。

するとククールがこんなことを言い出しました。

「旅から帰るまでに院長が決まらなければオレがやる!!」

(こいつ、帰る気ないだろ・・・
マルチェロ見つけたら、こいつはこちらに押し付けよう)

マイエラ修道院という檻にククールは自らサインしました。
男に二言はありません。
女たらしのククールですから、二言があったら嫌われますし。
最低だと言うのはあとにしましょう。
それはもう皆さん知り尽くしますから。

「ククール、どこに行くんだ。
あの男がパルミドにいるわけないし」

「確かにな〜パルミドでカジノなら探しやすくていい」

「カジノやりたいだけだろ」

「カードがない
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