第一話〜訪れた世界〜
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バトレーの研究所から逃げ出したばかりの頃までの世界情勢を話した。
ウーノ「それでライ。あなたはこれからどうしますか?」
ライ「えっ?」
ウーノ「元の世界に帰りたいですか?」
ライ「……」
その言葉を聞いたとき、酷く胸が痛む自分がいた。
ライ(帰りたいと思うことがこんなに辛いとは思わなかったな。)
ゼロレクイエムを起こしたことにより、ライは世界の悪意や憎しみなどを背負って死んだ。いや、死ぬはずだった。しかし、今こうして生きていることが元の世界に戻ることによって知られれば、また新たな混乱と戦いを呼ぶ可能性があった。そのため、ライの答えは決まっていた。
ライ「いや、もう僕には元の世界に帰れない理由がある。だからこれからどうするかは、まだ……」
ウーノ「そうですか。なら少しの間ここにいますか?」
この返答にはいささか驚いた。なぜなら身元不明の不審者を滞在させると言っているのだから。
ライ「いいのか?自分で言うのもなんだが、かなり怪しい人間だと思うが?」
ウーノ「これまでの会話であなたの人柄はある程度わかります。それにこちらも人材が増えるに越したことはありません。」
ライ「しかし、ただでさえ助けてもらっておいて、これ以上の迷惑は…」
(それにギアスのことも……)
ライの心配はそこであった。いくら魔法が存在する世界でも、ギアス自体が異端な能力の可能性がある。ギアスのことが知られるのは、この見知らぬ世界でも致命的であるとライは考えていた。
ウーノ「こちらとしてはあなたの世界の技術にとても興味があります。あなたはその情報を我々に、こちらはあなたにこの世界の一般常識や生活に困らない程度の環境を、お互いに提供するということでどうです?」
ライ「取引と考えればいいのか?」
ウーノ「あなたがそれで納得するのでしたら。」
正直それは破格の条件だと思った。そしてこちらから与えられる情報もある程度絞ることができるため、こちらが損をすることは無いと判断した。
ライ「…分かった。少しの間世話になる。」
研究所・研究室
ウーノ「……以上が彼との会話のすべてです。」
ウーノは先ほどの会話をすべて報告した。
ドクター「なるほど。様々な世界を渡ってきたと思っていたが、まだまだ私の知らない技術の存在する世界はあるのだな!それが判っただけでも彼という素材は十分に役に立っているよ!」
ウーノ「これから彼をどうしますか?我々のことを説明しますか?」
ドクター「いや彼が強い正義感を持っているのなら私たちといるよりも、ルーテシアとゼストの二人といるのがいい。それに彼の身体データはあらかた取り終えた。無理に私たちの近くに置いておく必要はな
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