暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
説明会
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明の時の運営の言い回しを不審に思っていたのだ。上げられたクリア条件の例が『例えば誰かのクリア条件が2のプレイヤーの死亡となった場合。』そして、『2のプレイヤーの生存とした場合』だった。

 これは、最初の例の≪なった≫と言う部分に着目した。これは明らかに変化した場合の表現であり、次の≪とした≫と言う言葉。

 同じ過程の話しなのだが、言い回しが違う事に疑問を覚えたのだ。

『……使い慣れた言葉を使ったから、言ってしまった』

 と言うのが一番しっくり来る。

 そして、それ以上にあの空間、説明会が始まる前の仄々とした空間の事だ。半数以上の人間がいて、あそこまで緊張感のないやり取りが出来ると言う事は、恐らくは殆どの人間が、先ほどの例であった≪死亡≫の条件が無いと推察できる。首輪が爆発すると書かれている以上は、冗談と思ってもクリアの条件が他者の死であればもう少し緊迫感があってもいいはず。だが、それすらない。

 つまり……、


 【クリアの為に争う理由が無い】と考えているという事になる。


 その過程が正しかったとして、どうすれば 見世物の様に盛り上がる展開になるのか?と考える。ここの運営側の物言いから、考えるに運営が直接 手を下して助長する真似はしないとまだ考えられる。その説明ははっきりと答えているのだ。つまり、十中八九何かの条件を満たしたら。

 【争いを助長する条件へと変化する】のだろう。

「……答えられないなら質問を変えよう。さっきの説明会でオレ達に伏せられている情報はあるのか? 例えばゲームの開催期間を会えて参加者に知らされていないように。盛り上げる為の演出の為にあえて伏せられているルールがあるのかってことだ」

 修平は質問の仕方を変えた。
 こういう言い回しをすれば、ゲームと関係無いとはいえないだろう。運営側もいい回しつつ言った言葉なのだから。だが、修平にはどっちでも良い。仮に言わなかったとしても、確信できる状況証拠は揃っているからだ。

『……はい。先ほどの説明が、このゲームにおける全てのルールではありません。秘められたルールをプレイヤーが考察するのも、ゲームの醍醐味と考えています』

 さして慌てる事も無く淡々と答える運営。

 それだけで十分だった。

 修平は質問を終えると、部屋を出て行こうとした。

 その時、呼び止められる。

 その次の一言は……身の毛もよだつほどの好奇心に満ちた嗜虐の微笑み。
 ただ短く。

『今後の活躍に期待しています。どうか、ご健闘を』

 そうとだけ、呟いていた。









































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