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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
襲撃
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後追いをしたいと言っている様に聞こえるぞ? オレには」
「ッ……!!」
刀真の言葉を訊いて悠奈は息を呑んだ。
彼女の想い人と別れて今日まで、考えなかった事はない。いつもいつも、頭の中で思い描いていたのだから。
そして、いつも――いつも、会いたい。そう強く願っていたんだから。
それが形を成して、今の自分の行動となっている。
――彼に会いたい。
即ち、彼のいる場所に行きたい、というのは 心の奥底に眠っている願望だった。
そう、改めて理解した。
そんな悠奈を見て、刀真は続けた。
「――このゲームに乗じて、誰かの為に命を落とせば、そいつから受け取った命を。次に引き継ぐ事が出来る。思ってるんだろうが……、仮にお前が死んだ後渡したそいつが助かる保障はあるのか?」
「え……っ。そ、それは……」
悠奈は言葉に詰まっていた。
このゲームの事はよく知っているつもりだ。
仮に、自分がそうなるであろう状況になったとしたら……?
あの時
(
・・・
)
は、生き残りが2人しかいなかった。
片方が死ねば、片方が助かる状況だった。でも……、都合よくそんな展開になるなんて思えない。でも……それ以上に。
「わ、私は! 誰1人として死なせない! その覚悟を持ってここにいるの!」
「そう、それが理想だな」
悠奈の言葉に、刀真は頷いた。
「だが……、知ってるのであれば言う必要は無いと思うが 世の中はそんなに甘くは無い。そして《この世界》も……な」
その瞳を、悠奈ははっきりとみる事が出来た。
何処か、無機質だと思えた。そして、さき程までの刀真の眼じゃない、とも思えた。
「――抗ってやるわよ……。命を懸けて、全力で」
悠奈はふっ……とため息を1つ吐き、そして……ゆっくりと、もう一度深呼吸をすると、ゆっくりと彼の眼を見据えて答えた。
「でも――、日影さん。確かに貴方の言うとおりだって、わかった」
悠奈は、軽く頭を下げた。
「……」
「
アイツ
(
・・・
)
の所に行きたいって、思って無い訳じゃない。だけど……他人の命を自分の言い訳にして、……自分の願望を叶える為の道具にしちゃ駄目だよね」
そして、下げた頭を元に戻すと同時に、再び口を開く。
「ありがとうございました。……貴方に言われなかったら……、私は最後の瞬間まで解ってないままだったと思う。自己満足のまま、だったと思う」
「礼は、いらない。これは、ただ忠告をしただけだ。……最善な選択を常に選べるように。安易な決断を生まぬようにとな。組む以上は 利己的、打算的、と受け取ってくれ」
そう一言だけ添えて……。
そのまま、2人は再び歩き出した。
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