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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第27話 「黒雨降る所以」
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「ねえ、あれって・・・。」
「嘘、ドイツの第三世代じゃない?」
「まだ本国でのトライアル段階だって聞いたけど・・・。」

俺とシャルルが懇切丁寧に一夏を指導していると、周りの生徒がざわつき始めた。ドイツ、その単語だけで何が起こっているのかは嫌でも理解できてしまう。

「織斑 一夏。」
「・・・何だよ?」

ピットに立っていたのは言うまでもなくラウラ・ボーデヴィッヒだった。右肩に大型の砲台を装備した漆黒のISを身に纏い、冷たい侮蔑の視線をこちらに浴びせていた。あれほどの侮蔑は滅多にお目にかかれまい。尤も、束さんが赤の他人を見る時に比べたら児戯にも満たない軽いものだが。

「貴様も専用機持ちらしいな。ちょうど良い。私と戦え。」
「断る。理由がない。」

随分とまあ上から目線な申し込み方だこと。先程からごつい大型砲をこちらに向けて凄んでいるのだが、一夏はしっかりとボーデヴィッヒに視線を合わせながら冷静に応対している。ここら辺は流石に千冬さんを姉に持つだけある。凄みや脅しが効かないのは確かな強みだ。

「貴様にはなくとも私にはある。」
「・・・また今度な。」

ボーデヴィッヒの返答に対して、一夏の表情が少し変化する。どことなく後悔しているかのような表情。・・・なるほど。一夏の奴、あの憎悪の理由に心当たりがあるんだな。どんな面白い理由なのか、後で聞いてみるとしよう。

「そうか。ならば・・・、戦わざるを得ないようにしてやる!」

言うや否や、ボーデヴィッヒの大型実弾砲が火を噴いた。前触れのない突然の攻撃に面食らった一夏は対応できなかったが、すかさずシャルルが一瞬でシールドを展開して弾丸を弾き飛ばした。

「・・・こんな密集空間でいきなり戦闘を始めようとするなんて、ドイツの人は随分と沸点が低いんだね。ビールだけでなく頭もホットなのかな?」
「貴様・・・。」

シャルルは六一口径アサルトカノン『ガルム』を構えながら言う。状況判断能力の高さは勿論、挑発のセンスにも割と感心した。なかなか上手いことを言うじゃないか。対して、ボーデヴィッヒは挑発に一瞬怒りの表情を見せるが、すぐに標的をシャルルに変えて元の余裕のある表情に戻る。

「フランスの第二世代ごときで私の前に立ちふさがるとはな。」
「未だに量産化の目処も立ってないドイツの第三世代よりは動けるだろうからね。」

良い煽り合いだなー。こういう喧嘩の売買は大好物だ。見てるだけで興奮するよな。良いぞ、もっとやれ!・・・と野次を飛ばしてみたいくらいだが、生憎そんな状況じゃない。やれやれ、仕方ない。

「そこまでだ、ボーデヴィッヒ。今は訓練中なんだ。邪魔をするな。」

シャルルとボーデヴィッヒの間に割り込む。ボーデヴィッヒは相変わらず冷徹な視線をこちらに移しなが
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